英中銀も同様。上昇する利回りの抑制に動く。
**難しいエジプト対策
軍がモルシー政権を排除したのは、クーデターなのか否か。独裁者vs人民という西洋諸国にとって解りやすい対立がない事が事態を難しくさせている。
**エマージングヨーロッパ、リスクに晒される
米国のtaperingの影響で、EU内の発展途上国に不安が生じている。グルジアのCDSは5月の32bpから45bpへ、ウクライナは601bpから825bpへ、トルコは117bpから189bpへそれぞれ上昇している。
**日経平均は291円高の14309円
雇用統計は事前予想より高く、Fedの縮小実現が高まった。これを受けて金は1210ドルへ下落。一方で株は引けにかけて戻す。
日米欧の中央銀行のスタンスが違うが、これは1987年のブラックマンデーを彷彿とさせる。対策を施しておく必要がありそうだ。
**あらすじ
キューバの田舎町から都会であるハバーナにやってきた「ぼく」は貧民街で少年時代を過ごし、やがて女性の尻を追いかける生活を送るようになる。
**150頁まではがんばって読む
本書は2段組573頁に文字がびっしり埋まっているので、読むのが結構大変です。
具体的に言うと、物語は「ぼく」が成長するまでは全くといって良いほど物語が進みません。
頁にして150頁、時間にして約3時間、このあいだ一向に物語が転び出さないというとなかなかの難敵ぶりです。
しかしそこを乗り越えればその後は、個々の女性との出会い、口説き、エロ、別れというパターンが見えてくるので安心して読み進める事ができるようになります。
中途半端な所で翌日に持ち越すとなんの話だったか忘れてしまいますので、1日1人ずつ読んでいくのが丁度良いのではないかと思います。
**描写について
本作を特徴付けるのは冗長性も去ることながら、やはり性描写でしょうか。
それに対して著者は物語で下記のように語っています。
ぼくは卑俗な感情、卑俗な表現、要するに卑俗なものならなんでも好きなのだ。卑俗なものはどこまで行っても聖なるものにはなり得ない。しかし、それだけにまた人間的なのだ。
(中略)
もちろんぼくはここで文化史を書こうとしてるのではなく、卑俗さをそれ本来の位置 - ぼくの心にもっとも近い場所であるが - に置こうとしているだけである。
P.431
目を背けたくなるような描写が存在するわけではないので、思っていたほどには卑猥という印象は受けないと思います。
**読後感
最初はこれは大変な本を読み始めてしまったなぁと思いましたが、パターンさえ把握できれば次はどんな展開になるのだろうと楽しみながら読み進める事ができました。
特に女性と別れるシーンは、彼女らの本質を突くような描写を言葉少なめで書くので、それまでの過剰な描写との落差も相俟ってとても印象的で心に残ります。
それからタイトルはラヴェルの作品をもじったものですが、女性を主題とした変奏曲のような構成なのかな、などと勝手に思ってたりします。
読み終わるまでに15時間ほどかかり、それなら他の有名どころを読む手もあったのではという考えも頭をよぎらないわけではありませんが、紹介されないと一生読まなかっただろうし、著者の最も愛した女性に対する熱量も感じる事ができて読んで良かったと思います。
時間があり酔狂な人は読んでいるのも良いと思います。