2013/08/08

修身教授録 森信三 当たり前だが大切な事を改めて教えてくれる


すべて人生において最も大事な事柄というものは、常に繰り返されるものです。ところが、そのように常に繰り返されることからして、しだいに馴れっこになり、ついには言葉だけになって、事実と言葉とが離ればなれになるのです。そうなると、いかに重大な事柄に対しても、一向に驚かなくなるのです。


昭和12年から昭和14年にかけて大阪天王寺師範(現・大阪教育大)で著者が行った講義録。この分野では名著らしく平成元年に新装本となった以後も増刷され、手元にあるもので第37版となっててます。

講義は79回分あり、先生の登場、講義、退出を口述筆記という形で採録されていますが、この形式が授業の雰囲気を実に良く醸し出していて、さながら自分が講義を受けているような気分にさせられます。


**当たり前だが大切な事を改めて語ってくれる

われわれ人間にとって、人生の根本目標は、結局は人として生をこの世にうけたことの真の意義を自覚して、これを実現する以外にないと考えるからです。

言われてみるとまあそうだよねと思いますが、こういった当たり前のことを改めてストレートに言われる機会って大人になるとあまり無いのでとても新鮮に映ります。

特にこの引用した部分は1年を通じて繰り返し触れられていて、なにをするにしてもこの根本があるからこそであると説いています。

平凡な日常生活でこういった事はなかなか意識し辛いので改めて考えさせられます。


**人生は二度ない

諸君らが考えると否とにかかわらず、この二度とない諸君らの人生は、日一日と減っていくわけです。現に諸君らは、すでにその三分の一か四分の一を失っているわけですが、諸君らはそれに対して、果たしてどのような考えを持っているのでしょうか。

もはや三分の一どころか半分失っているわけで改めて言われると唖然とするわけですが、これなんかも自明の理である事柄ですが、じゃあ普段から自分で心がけるのができるかと言われるとなかなか難しく、その点においてもこの本を読むというのは意味がある事と思います。


**実践が大切

著者は京大の哲学科出身で西田幾多郎に習っていたそうですが、実践を非常に重視しているのも特徴だと思います。

ですからやはり実行が本であって、学問というものは、ただ実行という土の上に立って、初めてその意義を持つわけで、これ孔子が「行って余力あらば以て文を学ぶ」と言われたゆえんでしょう。学問に対する態度として、私には、古今を通じてこれほど痛切な教えはないと思います。

読書も非常に奨励していますが、それもあくまでの実践ありきという立場です。講義の中でも仕事の進め方や鍛錬の仕方など極めて具体的に書いてある回も多いですが、こういう部分は大人になってからこそ気付く事も多い部分であり、それが後世の人にも読み継がれている理由の一つなのかもしれません。


**読後感

冒頭にも書きましたが口述筆記という形のおかげなのか、とても距離感の近い読書となりました。開ければ必ず先生が講義をしているんだと思うとなんだか不思議な気持ちにさせられます。本の持つ静止性というのは偉大な良点なんですね。定期的にパラパラめくってみたい本になりました。


**インド、前IMF理事を次期中銀総裁に

リーマンショック前に警鐘を鳴らした実績のあるRaghuram Rajanは9月4日からインドの中央銀行総裁となる。インドはルピーの下落、低成長の経済、海外資本の流出といった問題が山積しており、これらを解決するのを求められている。

**豪政策金利は過去最低へ

2.5%へ。今後も続く可能性が高いという。オーストラリア経済は中国経済の低迷の影響を受けている。

**Standard Charterd、韓国で評価損

10億ドルの損失を計上し、利益の16%減を引き起こした。韓国の消費者は世界でもっとも負債を抱えており、最も難しい国だとしている。

**日経平均は576円安の13824円

taperingを織り込みの影響による円高によるか。円は96円台へ。