2014/06/05
パターン・ランゲージ 環境設計の手引き
今年読んだ本の中でいまのところ一番面白かった本。生き生きとした生活を営むにはどのような環境が必要とされているかがよく解る。
昨今色々なところでコミュニティ論が話題になっているが、人間という物理的な存在を扱ったものはほとんど見受けない。しかし我々が生身の人間である限りは認知にも限りがあるし、何を快と思い、何を不快と思うかはある程度は共通したものがある。
本書を読むと地方都市の生活としての荒廃も、かなりの程度は車ありき、という社会がそもそも間違っているのではないかと思わされる。車とその道路は人間のサイズには大きすぎる。ヴェネツィアが世界で最も魅力的な都市であるのも自動車がいない空間であるというところに理由があるのはまず間違いない。
今後我々の引越しをしたり家庭を持つようになった場合、どういった環境がどのように我々の行動を制約していくのか。本書を読んでおけばそういったものの勘所が解るだろう。
街を歩くときもどうして活気があるのか、ないのか。住みやすそうか、住みにくそうか。本書によってとっかかりが増えているだけ楽しみが増えるにも見逃せない。
9800円と高く、600ページの2段組だが読んでおいて間違いはない。
以下は施工部分を抜いたパターン名の抜粋。興味のある部分があったら、是非本屋なり図書館で確かめて欲しい。きっと面白い発見があるはず。
■それぞれの地域で土地を守り、都市教会を明示するような地域政策の実現を目指すこと
1.自立地域
2.町の分布
3.フィンガー状の都市と田園
4.農業渓谷
5.レース場の田園道路
6.田舎町
7.田園
■都市政策により、都市の輪郭を明らかにする基本構造の斬新的な形成を促すこと
8.モザイク状のサブカルチャー
9.仕事場の分散
10.都市の魔力
11.地区交通区域
■大きな都市のパタンは、物理的に識別可能な場所として存在する2段階の自治的コミュニティの管理のもとに、草の根から作り上げること
12.7000人のコミュニティ
13.サブカルチャーの境界
14.見分けやすい近隣
15.近隣の境界
■ネットワークの成長を促し、コミュニティ同士を結びつけること
16.公共輸送網
17.環状道路
18.学習のネットワーク
19.商店網
20.ミニバス
■質を規制するコミュニティ政策や近隣政策を確立すること
21.4階建の制限
22.9パーセントの駐車場
23.並行道路
24.聖地
25.水への接近
26.ライフサイクル
27.男と女
■近隣内やコミュニティ内、また両者の中間地帯や境界上に地区センターの形成を促すこと
28.中心をはずれた核
29.密度のリング
30.活動の節点
31.プロムナード
32.買物街路
33.ナイトライフ
34.乗り換え地点
■これらのセンターの周囲に、親密な人間集団単位で、住宅群の成長を促すこと
35.世帯の混合
36.公共度の変化
37.住宅クラスター
38.連続住宅
39.段上住宅
40.どこにも老人
■住宅クラスターのあいだ、センター施設の周囲、そして特に近隣間の境界上に仕事コミュニティの形成を促すこと
41.仕事コミュニティ
42.工業の帯
43.市場のような大学
44.地区タウンホール
45.コミュティ活動の輪
46.多店舗マーケット
47.保健センター
48.あいだの家
■住宅クラスターや仕事コミュティの間に、地区道路や歩行路のネットー枠を徐々に自然発生的に成長させていくこと
49.ループ上の地区道路
50.T地路
51.緑道
52.人と車のネットワーク
53.大きな門口
54.横断歩道
55.小高い歩道
56.自転車路と置場
57,都市の子ども
■コミュニティや近隣のなかに、人々がくつろぎ、肩をふれあい、自己を取り戻せるような公開空地を用意すること
58.カーニバル
59.静かな奥
60.手近な緑
61.小さな広場
62.小高い場所
63.街頭の踊り
64.池と小川
65.出産所
66.聖域
■個々の住宅クラスターや仕事コミュニティのなかに、地区用のささやかな共有地を用意すること
67,共有地
68.つながった遊び場
69.公共戸外室
70.墓地
71.泳げる水
72.地区スポーツ
73.冒険遊び場
74.動物
■共有地、住宅クラスター、仕事コミュニティなどの枠内で、家族や作業集団や会合所といった、最小単位の自主社会集団の変革を促すこと。はじめに、あらゆる形体の家族。
75.家族
76.小家族の家
77.ふたりの家
78.ひとりの家
79.自分だけの住まい
■次に、あらゆる作業場、オフィス、子どもの学習グループといった作業集団
80.自主管理の作業場とオフィス
81.形式抜きの小さな窓口
82.事務室のつながり
83.師匠と弟子
84.十代の社会
85.店先学校
86.子どもの家
■最後に地区の商店や会合所
87.個人商店
88.路上カフェ
89,角の日用品
90.ビアホール
91.旅人の宿
92.バス停
93.屋台
94.人前の居眠り
■建物の高さと数、敷地への入口、主要な駐車スペース、複合建物を通り抜ける動線など、一群の建物の全体構成の設計に役立つ。
95.複合建物
96.階数
97.見えない駐車場
98.段階的な動線領域
99.母屋
100.歩行者街路
101.通り抜け街路
102.見分けやすい入口の集まり
103.小さな駐車場
■敷地、樹木、太陽などの条件を見極めて、複合体の個々の建物の位置を1つずつ決めて行く事。これはパタン・ランゲージのなかで、最も重要な瞬間の1つである。
104.敷地の修復
105.南向きの屋外
106.正の屋外空間
107.光の入る棟
108.つながった建物
109.細長い家
■建物の棟に、入口、庭、中庭、屋根、テラスなどを割り付けること。建物と建物間の空間とを同時に形作ること。屋内空間と屋外空間は陰と陽であり、つねに同時に形成さねばならない。
110.正面玄関
111.見えかくれの庭
112.入口での転換
113.車との説億
114.段階的な屋外空間
115.生き生きとした中庭
116.カスケード状の屋根
117.守りの屋根
118.屋上庭
■建物の主要部や屋外空間の概形が決まれば、次に、建物間の歩行路や広場にも、さらに細かい注意を払うことになる。
119.アーケード
120.歩行路と目標
121.歩行路の形
122.建物の正面
123.歩行者密度
124.小さな人だまいr
125.座れる階段
126.ほぼ中央の焦点
■歩行路が決まったら、建物に立ち戻ることにする。1つの建物のいろいろな棟で、空間に基本的な格付けをし、動線にしたがってそれらの空間をつなげていくこと
127.新密度の変化
128.屋内の陽光
129.中心部の共域
130.玄関室
131.通り抜け部屋
132.短い廊下
133.舞台のような階段
134.禅窓
135.明暗のタピストリー
■建物内の空間や動線の格付けを尊重しながら、最も重要な領域の部屋の輪郭を決めること。はじめに一軒の家。
136.夫婦の領土
137.子どもの領土
138.東まくら
139.農家風キッチン
140.街路を見下ろすテラス
141.自分だけの部屋
142.くつろぎ空間の連続
143.ベッド・クラスター
144.入浴室
145.大物倉庫
■次に、オフィス、作業場、公共建物なども同様に。
146.柔軟な事務空間
147.会食
148.小さな作業集団
149.親しみやすい受付
150.待ち合わせ場所
151.小さな集会室
152.半私的な事務室
■少し独立させたい小さな離れを母屋に付け加え、上階であれば街路や庭にじかに入れるようにすること
153.貸せる部屋
154.十代の離れ
155.老人の離れ
156.腰をすえた仕事
157.家庭ワークショップ
158.青空階段
■建物の内外を自然に縫い合わせるために、両者の境を固有の場所として扱い、そこに人間的な細部を加えること
159.どの部屋も2面採光
160.建物の外緑
161.日のあたる場所
162.北の面
163.戸外室
164.街路にむかう窓
165.街路への開口
166.外廊
167.一間バルコニー
168.大地へのなじみ
■庭の割付り付けや庭内の様々な場所を決めること
169.段状の赦免
170.果樹
171.木のある場所
172.野生の庭
173.庭囲い
174.格子棚の散歩道
175.温室
176.庭の腰掛
177.菜園
178.コンポスト
■建物内部にたち戻り、主要な部屋に小部屋やアルコーブをつけ加えて完成させること
179.アルコーブ
180.窓のある場所
181.炉火
182.食事の雰囲気
183.作業空間の囲い
184.台所のレイアウト
185.くるま座
186.ざこ寝
187.ふたりのベッド
188.ベッド・アルコーブ
189.着替え室
■部屋やアルコーブの形状を微調整し、性格に建てられるようにすること
190.天井の変化
191.屋内空間の形
192.生活を見下ろす窓
193.半開の壁
194.室内窓
195.階段の容積
196.隅のドア
■アルコーブ、窓、棚、衣装戸棚、腰掛などが必要な箇所では、つねに奥行きの深い壁にすること
197.厚い壁
198.部屋ざかいのクロゼット
199.日のあたるカウンター
200.浅い棚
201.腰高の棚
202.造り付けの腰掛
203.ちびっ子のほら穴
204.開かずの間
**インド政権交代
Modi率いるBJPが543議席のうち282議席を獲得し単独過半数を握った。国民議会派44議席と60年前に独立してから最大の敗北となった。Modiは経済の復活、インフレ、汚職、官僚主義への対策が支持を集めた。