**ジャンクボンドが今年最低の月リターンに
過去最高の資金流入が観測されているジャンクボンド市場だが、10月のQE終了を迎えてその好調な市況に変化の時を迎えている。トータルハーイイールドボンドは今月-0.5%の下落を記録し、スプレッドは44bp開いて406bpになっている。
**ベイルアウトプログラムを今年の終わりに終えるギリシャ
ギリシャは全体で245億ユーロであった公務員の給料を過去5年に渡って160億ユーロに、つまり1/3を削減し貸し手の期待に応えてきた。一方で経済は-25%縮減し、失業率は28%を越えるようになった。この結果、政治では極右と極左が票を伸ばすようになっている。
**EU各国が天然ガスをロシアから輸入している割合
スロバキア100%、ブルガリア100%、ギリシャ69%、ハンガリー65%、ウクライナ56%、ドイツ45%、イタリア37%、イギリス16%。
**海外展開に苦戦するロッテ
韓国のSamsungやHyundaiと違って小売業界は海外展開に苦戦している。韓国の小売最大手のロッテの海外部門は去年の倍の550億ウォンの損失を第一四半期に計上している。中国の市場は競争が激しくCarrefourやTescoといった巨大企業が相手であり、自国のような供給センターの作成に失敗している。韓国のライバルE-Martは海外から撤退した。
**ヘッジファンドは苦戦の年
2/3のヘッジファンドは年換算のリターンが6%以下に留まり、半分は5%以下であるという。その中でもグローバルマクロとショートバイアスのヘッジファンドの成績が悪い。ヘッジファンド業界は2011年には-5.2%のマイナスだったが、2009年2010年は2桁、2012年は6.4%、2013年は9.1%であった。
**金融業界は共和党に献金
2010年は総献金のうち53%が民主党46%が共和党であった。しかし今年は共和党が68%民主党が38%と共和党が圧倒している。ウォールストリートは2008年の選挙ではオバマを支持していたが、その後にウォルストリートに厳しい態度であったため共和党に乗り換えている。しかし民主党もオバマやクリントン夫妻は未だ高い集金力があり、困っているわけではない。
**中国のGDP対債務比率は250%
2008年は147%であり、絶対値よりもその増加スピードに懸念が集まっている。米国は260%、英国は277%、日本は415%である。中国当局は数年に渡って成長率鈍化と債務依存は持続不可能だと警告している。
**ソウル市が昼寝を許可
食後に最大1時間までの昼寝を許可した。狙いは生産性の回復である。韓国人は世界で最もワーカーホリックで年に2092時間、1日11時間働く。しかし生産性はOECDの平均の66%であり、米国の半分に満たない水準である。
**Anglo Americanが南アのプラチナ鉱山を売却
5ヶ月に渡るストライキの果てに売却を決定した。これにより4万人のうち2万人を売却することになる。ストライキ期間中に生産高は-40%減少した。
**EUが対制ロ裁の合意に失敗
スウェーデンや東ヨーロッパ諸国が推し進めていた禁輸措置であったが、他のEU諸国、特にフランスからの反対にあって新しい制裁措置をとることに失敗した。フランスは12億ユーロするミストラル級強襲揚陸艦をロシアに売却する契約がある。
**インドネシアに新大統領誕生
53歳の元家具セールスマンのJoko Widodoが53%、1億3000万得票を得て当選した。新大統領は汚職のイメージも既得利権もなく改革を進めること期待されている。
**EUのレバレッジド・ローンが2007年の水準に
今年現在までに1750億ユーロとなり、2007年の水準、年で4050億ユーロに近づいて来ている。企業は中央銀行の超低金利政策で、シングルBの企業でも5%以下で調達することが可能になっており、銀行借入から離れるようになっている。
■相場観
日本市場はすっかり夏休みムードになっている。動いている銘柄も売買代金が少ないので騙されることが多いだろう。こういう相場は取れそうで取れなので静観が一番である。
アメリカは決算シーズンを迎えてテクノロジー株はまずまずの出足だ。一方では10月のQE終了も睨んでジャンク市場の潮流が少し変わってきているようだ。ただ実際の金利そのものがすぐに上がるわけではないので、そこらへんが難しい。S&Pはいま1980くらいなので2000というキリの良い数字に自然と引き寄せられるのではないかと思うがどうであろう。
いずれにしてもじっとしているのが仕事という局面だろう。