2014年5月8日木曜日

ソクラテス以前以後(4) アリストテレス 観想的世界を実践的活動より上位に位置づける


■要約

・アリストテレスはプラトン主義の行きすぎを批判した。

・アリストテレスは自然物を始元を持つものとして定義した。

・アリストテレスの神は世界を秩序付けたり、善のために働きかけたりはしない。神は自らが目的であり自分の完全を観想するだけに没頭している。

・観想的世界は実践的活動より上位に位置づけられ、ソクラテスの希求切望の哲学は逆向きの機械に成り果てた。

■アリストテレス

アリストテレスは最初はプラトン主義者であったがやがて離れる。彼は範型的イデアが、それを宿す可触的な事物とは別に何らかの実在性をもちうることを断じて認めてようとはしない。数学的学問の対象が、我々の精神を形作る抽象概念以上のものであることも容認しない。

常識はたとえ混乱していてもいつでも実際的経験との密接な関係のうちにある。たとえどんなに見当はずれで混乱していようと、真実についての何らかの把握を含んでいるらしく、批判によってその真実を漉し出し、論理的で首尾一貫した形に鍛え直すことができる。

といはいえアリストテレスもソクラテスから受け継いだ希求切望の観念によって支配されている。事物の真の原因ないし説明は、始元にではなく、終極において探求されるべきだという考えである。アリストテレスの哲学も依然としてやはり、目的因の哲学なのである。

アリストテレスは自然物を、自己自身のうちに動きの始元をもつもの、と定義する。かれが言うとところの単純物体、すなわち火、空気、土、水でさえ、火は上方に、水は下方にというように、それぞれ本来固有の場所へ動こうとする本来的傾向を持っている。

そして生物においてこの本性的な動きの力は、それが可能態の段階においてあるにせよ、現実態の段階にあるにせよ、生物の形相そのもに備わっていると考えられる。

生殖過程においてはその動力因を十全に成長した親のうちに実際に現実化している種的形相と同一視している。だがその生殖行為のいてこの形相は新しい個体に伝達され、それとともに、可能態から現実態への発達過程をもういちど遂行する力ないし能力が譲り渡される。かくして種的形相は無限に連続する個体系列のなかを旅していく。個々の個体は誕生し、十全な成体となり、次の世代を生むと滅び去るのであるが、種的形相は時間のうちにあって不死なる生命の担い手である。

このようにしてプラトンの種的イデアは恒常不変の天界から引き降ろされて、時間と感覚的存在の流れの中にどっぷりと沈められている。

にもかかわらずこの生物学が希求切望の考えから深い霊感を受けていることはプラトン主義に少しも劣らない。十全な形相は発達過程の最後の段階という意味においてだけではなく、ひとつの善ないし完全性であるという意味でもまた終極目的である。

ところが生物学を越えて自然学の全領域へと歩みを進める段になると彼は神なしにはやっていけない。そしてこの神はまさしく希求切望の究極目標なのである。

存在する事物のうち第一のものは実体である。したがってもし実体が可滅的であるなら、あらゆる事物が可滅的である。しかるに変化と時間は可滅的ではない。それらが存在し始めたというのも、存在しなくなるというのも不可能である。

神が観想するにふさわしい唯一の対象といえば、それは神自身でなければならない。神は完全であるから何物のも欲しない。だが完全であるがゆえに、かれはこの世界全体の欲求の対象であり、そのようにして、回転する諸天球の自然的運動と、そして月下の領域においてはそれぞれ自己の現実化へと向うあらゆる種類の動きとの究極原因なのである。

神の活動は思考ないし観想でなければならないという断言的主張は、明らかに、観想的理想的思考が人間に知られている最高の活動であるという教説から引き出されている。

神の思考活動は観想的であって、実践的なものではない。自己のうちで充足していて、行為へと流出することはない。神は世界に対して働きかけることはなく、世界についての知識すら持たない。このような神の思考活動の概念は明らかに人間におけるその対応物から引き出されたものだ。

『倫理学』に説かれるところでは、人間の終極目的はわれわれの自然本性に本来的に備わっている最高の機能を完全に行使することである。そしてこの最高の機能とは最終的には、ソクラテスが発見し、プラトンが不死なることを宣言していたあの神的な理知的自己である。

この理性もしくは精神には、その身体器官となるものは何もなく、いかなる物資的随伴物もない。むろんそれは時に応じて実践的な知恵のうちに発動して行為を指導する。しかしそのような実践的活動はそれ自身を越えた別の目的のための手段にすぎず、それに対して観想的な活動は常にそれ自身が目的なのであって、それゆえにま一層価値が高い。観想的活動を実践的活動の上位に位置づけたという点では、アリストテレスはプラトン以上にプラトン主義者である。

アリストテレスの神は世界を秩序づけを考えたり、何らかの善き目的の為に働いたりはしない。その神は自らが目的であって、自分自身の完全性を観想するだけに没頭している。そして実際、世界に対する影響力たるや、いちばん外側の恒星天の回転、つまり宇宙の動きを引き起こすことに限定されている。

希求切望の哲学は、逆向きの機械論になり果てた。



**低迷するシンガポール株式市場

シンガポール市場はタイ証券取引所に抜かれ東南アジアでは第二位の市場となった。同市場はアジアで9番目に大きい市場だが、売買高が低いこと、高い売買手数料、大型IPOの不足などの複合要因によって低迷している。去年の11月におきたpenny stock clushの影響もある。SGXはクリアリング手数料を20%減じるなどの措置を取りマーケットメイカーを呼び込むようなど手をうっているが、結局のところ香港やタイといった市場との争いということになる。

**オバマアジア歴訪10の議題

アジアを見ていることを示す、安倍政権の軍事強化路線をサポート、TTP交渉をすすめる、尖閣諸島で日本を支持する、日韓関係を改善する、北朝鮮問題について韓国と話し合う、フィリピンにおけるプレゼンスを高める、マレーシアで民主主義の重要さを説く、マレーシア航空機について、中国については秋に訪問。