2014年7月20日日曜日

FTとか相場観とか今週思ったこと

**親ロシア派がMH17を撃墜

東ウクライナで対空兵器により民間機が撃墜され298人が死亡した。オバマ政権はロシアによる安定化がなされない場合は更なる制裁を加えると警告した。

**医療分野にもIT革命の波

現在の消費者はセンサーの低価格化に伴ってスマートフォンで健康状態をチェックできるようになっている。これは受動的だった診断からは進んだ形で、医療文化の移行期であると考える人もいる。

薬をきちんと飲んでいるかチェックするデバイス、声のデータにより心的状態をモニタするアプリ、体内のカフェインやカロリーをモニターするもの、スマートコンタクトレンズなどが紹介されている。

最終的にはスマートフォンは健康状態をチェックするだけではなく、診断までいくのではないかと予想する人もいる。

**広がる外食文化

世界のトップ10の外食企業は2013年の2280億ドルと2008年の1740億ドルから増加し、2018年には2800億ドルになる見通しである。この成長は英国や米国だけではなく中国でも、日本でも見られる現象だ。

このような外食文化の広がりは、生鮮食料品店に影響を与える。米国では朝食は家ではなく車の中に移り、携帯性が重要されるようになった。また独居老人も経済的理由や手間や楽しみから外食をするという。

これらの結果、スーパーマーケットが人々の胃袋を占める割合は低下する。もちろんスーパーマーケットの方でも、店内での飲食スペースや持ち帰りのオプション、レストランを用意し対策を行っている。

これからはどんどんスーパーマーケットと外食の線引きが曖昧になっていく。

**EUの構造的失業

ポルトガル人のClaudio Castro(34)は10年に渡り雑誌の編集をしてきた。スキルとしては英語、ドイツ語、ポルトガル語の翻訳を行えるが次の職が見つからない。40の書類を送っても面接までにこぎつけたのは1社だ。国の機関の助けを借りようとしてもトレーニングコースを受けるにはレベルが高すぎると言われてしまう。ドイツで職を求めているのは、ポルトガルでは失業者はどの年代でも当たり前だからという理由だ。

EU圏の経済は回復している。しかし失業者1850万人の雇用環境は若干改善したに過ぎない。いわゆる構造的失業と呼ばれるもので、EUの15カ国では8.5%から10%へその数字が増えている。

若者はもっと酷い。ギリシャとスペインでは25歳以下の半数が無職であり、イタリアでは4/10が同じように職が無い。EUの周辺国の若者は結局ドイツや英国に職を探しにいくが、これは周辺国の労働市場が弱いことを示している。

EUも日本と同様に守られている労働者と全く守られていない労働者の二極化が進んでいる。しかし解雇を簡単にするなどの流動化策は労働組合によって拒否されている。

**ロンドンにインターンシップの季節

数百人のインターンシップが今年の夏もシティで働く。期間は8~10週間で、給料は年間換算すると45000ポンドにプラスボーナスだが、平均的な大卒の給与は20500ポンドだ(1ポンド=173円)。

投資銀行や資産運用業界で働くには経済学の学位で来るのが一般的で、OxfordとCambridgeの名門校だけで20%を占める。しかし名門校の生徒だけでは不充分なのでインターンシップで人材を見つける。

一方でプレミアリーグのようにローカルの人材は香港やカルカッタの大学生とも競争しなくてはならず職を獲得するのが難しくなっている。留学生は留学費用の負担があり良い職に就くような大きな圧力がある。

去年若手銀行員が働きすぎて死亡したことを受けて、業界の慣行も変化してきている。コンサルタントファームなどもこういったタフな人材を求めており、人材の獲得競争が存在している。

**中国の伸張に対処する米軍

ゆっくりだが着実に伸張する中国の南シナ海に対して米国は、偵察機や増派など新しい戦術を求められている。南シナ海は年間5兆3000億ドルの商品が通過する。

**投資銀行の若手引止め策

Goldman Sachsは若手のタレントを失うことを懸念し、去年"junior banker task force"を立ち上げた。その中で"Give and Take"で有名になったウォートンのMalcolm Gladwellを雇い、"entry interview"を導入した。これは従業員の価値やゴールを雇用時のインタビューより詳細に行うことで、従業員に大事にされているという感じを与え、企業側には従業員の仕事をよりはっきりさせることができる。

また同教授によれば最近の若者はよりワークライフバランスを重視し、また経験や責任を取ることに時間がかかるのことをじれったいと感じており、多くを期待しているという。彼らは速くキャリアを築きたいし、速く動きたい。Barclaysなどではフォーマルな場にも若手を同席させるようにしている。

休暇も以前よりは取らせるようになっているが、それでも銀行員は週に90時間働いているといい、投資銀行界の労働慣習はそう大きくは変わらないだろうという声が多い。

**Low-volatility funds(低い変動率)は実際どうなのか

アカデミックでは低い変動率の株を保有した方が、高い変動率を保有したものよりもパフォーマンスが良いとされている。銘柄としてはMerck,J&J、PepsiCo、Verizon、ExxonMobilといった超保守的な銘柄である。しかし2011年からの実績ではインデックスを下回っている。金融危機時にはS&Pが54.9%下落したのに対し、低ボラ銘柄は47.8%であった。インデックスに遅れる傾向があるが、弱い時には時間を稼いでくれる。

**QE終了後のアセットマネージャー

2008年からスタートしたQEによってアセットマネージャーはrisk on risk offといった単純な戦略をとってきた。しかし10月にQEが終わることによって戦略を変更することになるだろう。上げ相場を作ってきた触媒は消え去る。

**単独では難しい地銀

東京も2020年には人口が減少し始める。地方銀行は既にそのような人口減と資金需要減に晒されている。地銀の新規の長期貸出金利は0.86%と過去最低を記録し、貸出コストが既に金利収入を上回っている銀行は106行に上っている。このような状況を受けて、地銀は隣の県への貸出を増やしたり、提携をするなどの動きが活発になっている。

**スマートフォン市場変化に苦慮するSamsung

Samsungの営業利益は三四半期連続で減少した。原因は2/3の利益を稼ぎ出し世界最大の売上を誇るスマートフォン事業だ。特に中国での競争が激しく2011年には25%のシェアであったものが、ローカルのXiaomiやLenovoによって18%までシェアが減少している。

Xiaomiは2013年には1900万台であるが2015年には1億台になるだろうとされている。世界全体のスマートフォン市場は2013年は42%増加しているが、競争は激しくなり利益率は削られている。

Samsungの垂直統合された組織はこれまでは成功してきたが、スマートフォンが不振となるとディスプレイなど他の分野も悪化し連鎖が続くことになる。

内部にもSamsungはスマートフォン事業の環境変化に対応しそこねたと認める人もいる。会長は2ヶ月目から入院し、次世代に権限が移る。今後の鍵を握るにはその600億ドルの内部留保の使い道だ。

**忘れられる権利の実際

EUにおいてネット上のデータを消す権利を認められた。しかしGoogle1社でこれに対応するのは現実問題として難しい。先月だけでもGoogleは7万件のリクエストがあり、現在でもペースは鈍ったとはいえ1日に1000件のリクエストがある。

また何を残し、何を残さないのかについても多くの議論があり、EUの法律はEUの外の世界には当然ながら適用されないので探そうと思えば探せる。結局は政治的な判断とせざるを得ないのかもしれない。

**ロシアで手を結ぶ日韓企業

ロシアはウクライナ情勢により米国とEUから制裁を受けた。この影響により中国との関係をより深くしようとする力が働いている。これに対し日韓企業は中国企業へ対抗するために互いに協力をすることが必要となってきている。日韓はロシアの極東地域の天然ガスや農産物に安全保障上の利益が存在する。

**アフリカへのハブとなるモロッコ

Casablanca Finance Cityは初めて世界ファイナンシャルセンターランキングに入った。順位は62位である。同市は既にBNP Paribs、AIG、Boston Consulting Groupといった有名企業を50社誘致している。そのうちの半数はEU、14%は米国、7%は湾岸諸国、その他はアフリカだという。CFCは税優遇、合理的なビザ、外貨運用の自由などがあり、西アフリカのフランス語圏にアクセスすることができる。

**イギリスの新ベビーブーム

イングランドとウェールズの2001年の出生数は59500人で25年で最低の数字であったが、2012年には22%増加し730000人となった。増加の原因は移民にある。既に1/4の子供の母親はイギリスの外からやってきている。なんとロンドンで生まれる子供の半数以上は外国人を母に持つ。2030年には約1/3の子供がエスニックマイノリティの生まれになると予測されている。

同時にイギリス人母も1970年代よりも多くの子供を産むようになっている。移民の第二世代も母親になる年齢になっている。この他にもゲイが子供を持つこと、Family Balancingの為に男女の産み分けができることが紹介されている。

**コモディティファイナンスに傾注するGoldman

新ボルカールールなどによりトップ10の銀行のコモディティ収入は2008年の145億ドルから45億ドルまで減った。しかしGoldmanはコモディティファイナンスは次の数年拡大すると見ている。コモディティファイナンスは長らくヨーロッパのコマーシャルバンクが扱っており、ローリスク・ローリターンと見られている。

**ロシアがBIRCSの結束を訴える

ブラジルで6回目のBRICS年次総会が行われ、プーチン大統領は世界的な問題にBRICSが協力してあたることを望むとした。また金融危機に備え1000億ドルの通貨準備ファンドの設立が提案されている。インドや南アフリカは去年の12月に決められたWTOのルールに対して、食糧の問題で懸念を表明している。

**Amazonが月額制を導入か

60万冊を月9.99ドルで提供するサービスがWebにアップされたが今は取り下げられている。そこには大手5社の名前は無かった。このSpotifyなどが導入している定額制だが、本という媒体になじむか懐疑的である声が多い。しかしもし普及すれば多くの本を買う人が図書館を利用するような感じになり、売上を減じる可能性があると懸念する声もある。

**新規採用に苦戦する石油業界

石油採掘業界では熟年労働者が引退する年代に入った一方で、新規採用できる若手に確保に苦慮している。人数はなんとかなったとしても、スキルギャップが大きな問題である。

この需給ギャップは景気サイクル的なものでもある。1990年代のオイル価格が安かった時代には多くの人員が解雇された。現在はこの影響が出ていると見ることができる。

■相場観

マレーシア航空機撃墜で下がったがその翌日には全値を戻してきた。相変わらず強い。悪いニュースを消化して上がっていく相場は強いので、やはりそういう相場の中にいるのだろう。いくらバブルの懸念があろうと、それは関係なく相場は相場なのでそういうものなのだろう。

一方でこの強さのツケを払わされる時があるのもまた相場だ。その時に吐き出さないようにするのが今後数ヶ月か数年での大事なポイントになってくるはずだ。

■今週思ったこと

35歳になった。

四捨五入すると40歳でありさすがに感慨深いものがある。女性が30歳になった時に感じるというのもこの感覚なのだろうか。それはともかく両親からメールがあった。なんでも私を自宅に連れ帰ったのは夕立の雨の中だったと。

このメールを読んだ時、当たり前だが両親にとって私という存在は初めて産まれた子であるし、その事実は今後も変わらないのだなと。母親に至っては今の自分より随分と若い年齢で産んでいる。

さてさて35歳はどうしたものだろうか。