2013/09/13

早稲女、女、男 柚木 麻子 非モテの極みだよ。男でも女でもない、早稲女っていう性なんだよ、我々は!


自意識に搦めとられる私の苦しさがわかる?




池袋ジュンクの4Fフェアで発見。そういえば誰かがこの本に言及していたので購入してみました。定型的な大学生の生態観察的なものかなと思っていたら、思っていた以上に文学ぽかったので面白かったです。でも青春小説なのかしら。

1.登場人物
2.ネタバレばかりのあらすじ
3.感想




1.登場人物

・早乙女香夏子

早稲女。自虐的でサークルの飲みでも必要以上に男勝りになったり、おばさん的になったりしてしまう。彼氏の長津田とは上手くいっていない。内定先の先輩、洋一(スマートだが早稲田出身)から告白される。父親は早くに亡くなっている。

・立石三代子

立教。香夏子と同居。なにかを強く欲することもなく、7割の力でそつなく世間を渡っていく。コミュ力高い。

・本田麻衣子

日本女子大。長津田を狙う。これといった特徴は無く、大学生的なものを求める。

・早乙女習子

香夏子の妹。ゆるい学習院に辟易としている。執事カフェに出入り。

・慶野亜依子

慶応。香夏子が内定した先のデキる営業さん。洋一が香夏子に惚れた為に振られる。手帳がなによりが大事な努力家。

・青島みなみ

青山。1年2年生時に厚木キャンパスで彼氏を作るが、3年4年に青山キャンパスに移る。そこでバイト先の店長から付き合おうと言われる。香夏子とはメキシコ旅行で隣の席になる。可愛いものが好き(ニュアンスは一杯ある)


2.ネタバレばかりのあらすじ

最終章の手前までは他の登場人物たちのそれぞれの視線からそれぞれの自意識を描いています。主人公の香夏子も大学時代のこじれた自意識を意識し、それを吹っ切って前に向う決意し行動しますが。。。。

大学を去るのと同じタイミングで、香夏子は長津田と吉沢の両方に別れを告げた。あの二十二歳の春、香夏子は自分の決断に絶対の自信を持っていた。

二人と別れることで、自分は何もにもとらわれない、さらに強くさらに大きな女性になっていると思っていた。ここまで打算のないまっすぐな判断は、普通の女の子には出来ないだろうと得意になっていたところも少なからずあった。

あの頃の自分が今の自分を見たらなんと思うだろう。過去の決断にいじいじと後悔し、三十歳を前に一人の時間をもてあましつつあるごく平凡な女。まさかこんな感情を噛みしめる日々を送るとは予想だにしなかった。

いいですね。著者が吹っ切った程度ではそうは問屋が下ろさないよと。なかなか離してくれません。6年経って他の登場人物は結婚していきますが、早稲女だけ取り残されます。

それな状況で昔振った長津田と再会します。彼は在学中に一度も欠かなかった戯曲をこの間に書きそれが佳作として入選。そして次のような言葉を口します。

自分にジャッジを下されるのが怖かった。戯曲を一度も書けなかったのも、結局負けるのが怖かったんだよな。まあ、プライドが高すぎたってことだよ

どんな人間でも見えないところで恥かいてるんだよな。失敗くらいどうでもいいじゃん、って思えてきたんだよね。別にいいじゃん、負けてもって。その頃から、なんか変わってきた気がする。

ずっと夢だけ追っているダメ人間だったはずが、苦しんだ末に前に進んでいる。そして二人でやっていかないと言われ次のように気付く。

今ならわかる。どうしても生き急いでしまう自分をその場に繋ぎとめてくれる誰か。必ず戻っていける場所。裏切られても傷つけられてもいい。揺ぎない居場所。自分はずっとそれを求めていたんだとわかる。認めるのがどうしても嫌だった。

厳しい評価を恐れるあまり、結果を先延ばしにしてきたのだ。

彼から逃れたかったのではない。結局、自分から逃げたかったのだ。

とまあこんな具合になっていきます。

3.感想

自意識過剰の割には何も無い。したがって自信がない。というのはなにも中2病に限ったことではなく、現代人の誰もが持つものなでしょう。問題はそれをどうしていくかというところでしょうか。

気付くのは誰でもできる。行動して失敗するのも大分がんばればできる。でも気付いて行動してもやっぱり漏れる。よってそこでは間断のない努力が求められる。これってたぶん一生続く作業なんでしょうね。個人的な経験から言えばその数が必要なのかなとは思います。

それはともかく現代の作品は読んでいなくてこの界隈がどんな按配になっているか解りませんが、読むのを引っ張ってくれますしなかなか面白かったです。女性側の視点というのもまた興味深かったのかもしれません。

一度時間を経過させて現実を突き出すのは著者の年齢にもよるんでしょうか(1981年生まれで2012年に出版)。リアルタイムな感じで良いですね。自分も当事者ですが我々の世代はどうなってしまうのでしょうか。

それとやっぱり単純に痴話げんかできる総合大学は良いなと思いましたとさ。自意識を向ける先のすらない男子校といったら!(これもまた自意識) 

とはいえ自意識を向ける先がないから好きな事を好きなだけできた、という部分もあるので振り返れば男子校が良かったとは思います。でも何か無いような気持ちも拭えないのもあるんですよね。

まあどっちもいっぺんにはいかないとうか、どちらかなんでしょうか。人生は一回で偶然に左右されることが多いですしなんとも。このあたりについてはまた次に考えることとしましょう。

**金利、FX,shadowへ

銀行への規制が高まる中、金利やFXの取引はヘッジファンやノンバンクに移っている。Bank for International Settlementsによればそのシェアは共に50%を越えたようだ。投資銀行にとっては1/5を稼ぐ収入源であったが、過去3年で30%の落ち込みを見せている。

**中国最大手造船、株式公開へ

政府がコントロールしている中国最大手の造船企業China Shipbuilindg Industry Coが140億ドルを株式公開によって資金調達する予定だ。政府としては株式公開することによって成長を促したい。中国の軍事費は1660億ドルに対してアメリカは6820億ドルである。

**ドルの穏やかな上昇

ドルは貿易加重指数で2.1%の上昇を示している。ネットのロングポジションは8月末の158億ドルから今週の火曜日には200億ドルに増えている。堅調な経済と金利の上昇はドルを資金調達通貨から投資先と認識されつつあるようだ。またエマージングマーケットの中央銀行もそのリバランスのためにドルを買っている。さらに時期FRB後任候補のサマーズが金融緩和に懐疑的なののも追い風となっているようだ。

**日経平均は37円安の14387円

一部の売買代金は1兆7449億円。マザーズは862億円。鉄建と大豊建設が続伸。短期資金的なオリンピック中心銘柄になったか。