いま一番興味があるのは環境が人間に及ぼす具体的な影響力について。これはパターン・ランゲージを読むことによって掻き立てられたものだが、早起き一つとっても意志よりも環境であることははっきりしていたので、仕事と被っていないことこともないか。本書はそのパターン・ランゲージの中で引用されており興味を持ったので読んでみた。
■要約
1.人間の存在と行為は事実上すべて空間の体験を結びついてる
2.異なる文化に属する人たちは、異なる感覚世界に住んでいる
3.個体の間には空間が必要である。混み合いは体に異変をもたらし、また社会的混乱をもたらす。
4.人間は自らを家畜化した
6.距離には密接距離、個体距離、社会距離、公衆距離の4つがある。
■長方形の席における会話量
具体的にはこの部分が一番興味があった。一般に暮らしていると長方形の机に座ることが多いが、これが会話量にどのように影響しているかがP.155で触れられている。
お誕生日席に一人ずつ座らせる。ここで自分を長辺のどちらかに座っているとすると、対面の人を1とすると隣は3、お誕生日は6の会話量となる。
実に6倍の差になる。しかも6人という比較的少数の人数でこれであるから、これ以上増えると級数的に会話の量に差がつくのは想像にかたくない。
人間もそうはいっても動物であるという観点に立てば、個体間の距離とそれを識別する視覚、触覚、聴覚、嗅覚が大事であるかということについては受け入れ易い。
プライバシーや混み合いに対する感覚の違いは文化によって違うというのは言われてみればそうかとなるが、とても新鮮だった。ドイツ、フランス、アメリカ、日本、アラブ人といったのを例に挙げているのでそれを読んでいるだけでも興味深い。
文学、絵画、彫刻などもこういった感覚的側面の遷移を意識して読むと面白いという点についてもなるほど。
あれもこれもとやっていると収拾がつかなくなるので、日高義樹風にまとめてみましたが、この作業は『なにをピックアップするかという能力』よりも、よっぽど『捨てる情報にどれだけ耐えられるのか』という能力の方が要求されますね。。。
**長期失業者
2008年から2012年の間に6ヶ月以上仕事が無かった人のうち1年後に就職した人は36%、30%は未だ求職中、そして残りの34%は就職を完全に諦めた。失業期間が長くなるほど次の就職先を探すのは難しくなる。またテクノロジーの進歩により、スキルのミスマッチが起きている。
**東ウクライナの自主投票
東ウクライナの自主投票はウクライナを分裂させる可能性を秘めている。しかし投票自体は違法であり、投票体制も普段の時よりも整っていないようだ。
**女性の収入が男性より高い時
米国では妻が夫より稼ぎが多い世界は1/4に達する。しかし収入が高い女性は夫を探すのが難しいく、また結局離婚している夫婦も多い。一方で上手くやっている夫婦もいる。1つは子どもがいない世帯で、どちらも自分の時間を過ごすことができる。2つ目は男性が子ども好きで、料理なども行う世帯である。もっとも別れやすいのは同じ業界でスタートし女性が男性を追い越した世帯である。