**米雇用統計、予想を上回る数字
就業者数の増加はアナリストの事前予想230000人を上回る321000人であり、雇用の回復が順調であることを示した。これを受けて来年前半の利上げ期待が高まりドル高になった。
今年の雇用増は過去15年でもっとも高い数字であり、金融危機からの回復モードから通常の成長路線へと戻ったと考える人もいる。
**SoftBankが東南アジアのタクシーアプリを買収
マレーシアをベースにアジア各地でサービスを展開しているGrabTaxiを2億5000万ドルで買収した。アプリは250万ダウンロードされアクティブユーザー数は50万人以上で東南アジアでは最も大きい。
このところソフトバンクはインドネシアやインドといった地域のecommerceの企業を立て続けに買収している。
**トレンドフォロー戦略が原油価格下落で好調
トレンドに追従するトレンドフォロー戦略の11月の成績はこの12年で最も良い数字になり2桁のパフォーマンスを示すファンドも多い。貢献したのは原油価格の下落や円安である。
トレンドフォロー戦略はこの前まで死んだと言われていたが今回もまたその健在ぶりを示した。
**スペインの銀行貸出は来年以降増加へ
2012年のEUによる厳格な構造化改革により銀行貸出は今年は-5.7%だが2015年は+1.8%、2016年は+5.4%になるだろうと予想されている。
スペインは10月に行われたストレステストで1行のみが抵触したのみで新たに資本金を増やす必要は無い。
**米国で警戒されるタックルのあるスポーツ
米国の中学生高校生の頭に衝撃を与えるスポーツへの参加率が2008年に比べて大きく減少している。
サッカーは-9%、バスケットボールは-14%、野球は-19%、そしてアメリカンフットボールは-27%である。これにはもちろん親の意向が反映されている。
**エチオピアが国債発行デビュー
海外投資家向けに最大で10億ドルの国債を発行する。利率は6%~7%と高いがこれでも過去の水準から比べると低い水準になる。
買い手は米国やEUなどの年金基金、保険、ソブリンウェルスファンドなどで強い需要がある。
エチオピア政府はこれらの資金をビルや鉄道や発電施設といったインフラ事業に使うようだ。アフリカではケニアが20億ドルの債券を発行しマーケットに復帰をしている。
**Black Fridayの重要度は低下へ
Black FridayとCyber Mondayは年末商戦開始の大きな合図であったが、モバイルユーザーの増加しベストなタイミングで買うように動態が変化したため過去に比して重要度は低下している。
Walmart.comの70%のアカウントはモバイルで占められており、モバイルの売上も29.3%増えている。
**銀行に潜在的な損失をもたらす原油価格下落
BarclaysやWells Fragoなどの銀行は、石油企業やガス企業への貸出で総計で8億5000万ドルの潜在的損失に晒されている。
エネルギーセクターはレバレッジローンでは4.6%、1兆3000億ドルあるジャンクボンドのうち15.7%を占めている。
**Samsung、トップ交代へ準備
Samusngは中国の低価格スマートフォンとの競争により営業利益は-60%というものだった。この結果を受けて現在のShinから会長の息子のLeeへとCEOが交代するだろうと予想されている。
Leeへの交代は世代交代とも言えるようだが、Lee自身はトップマネジメントに就くにはもっと多くの経験が必要だと感じており、来月のトップ就任には乗り気ではないようである。
■時系列にのせる
商売柄ミスはつきものであるしその心的影響も大きい。
人間にとって一番辛いは辛い時期がどれだけ続くかが解らないことだとフランクルは言っているが、そういうい環境に実際に身を置いてみると実感できる。今回もまたそうだった。
天変地異にせよ自分に裁量があるにせよ、心が事実を受け入れそれに徐々に適応していく過程は同じであるような気がする。
とは言え簡単に一般化はできないので、自分が何度何度も痛い局面にあって体感したことを書いてみたい。
相場が開いている時間というのは良くも悪くもまだ楽である。仕事そのものが痛みのもとでもとにかく裁量は自分にあるし、あれこれ想像しなくても済む。
問題は相場が開いていない時間や土日祝日だ。これは煉獄の苦しみといって差し支えない。考えは堂々巡りしそしてその分だけ心は疲弊する。
従ってその時間をどう乗り切るかが現時的には非常に大事になる。
対処法としては好きな分野の本を読むということに落ち着いた。私の場合であれば歴史の本を読むに限る。
今回は『戦争の世界史』という本を読んだが、戦争技術の発展がどう歴史を展開していくことになったかを綴っていて文句なしに面白かった。
青銅 → 戦車(チャリオット) → 鉄器 → 重装歩兵 → 軽騎兵 → といった軍事技術の歴史がありその世界に没頭できた。
軍事教練が非常に大きな発明であったとか、『次は前よりも良く』というマインドはここ100年の歴史しかないというのは大きな知見であった。
それはともかくこうやって脳から汁を出す楽しさに浸っている間は変に空想をしないのでとにかく時間をやり過ごすことはできる。
人によっては映画であったり文学であったり食であったり人に会うことになるのだろうけど、なんにしても本人にとって抵抗が少ないものがいい。気が乗ればそこを軸に他の行動にも移せるかもしれない。
そうやって時間をやり過ごしているうちに段々と心は環境に適応していくし、またこの手のリストを持っているのはたぶん大きな財産なんだろうと感じている。
それにしても自分の心を観察しているとなかなか現金なものだと思うと同時に、だったら最初から適応してくれと思うがそのようにはどうもできていないらしい。
難しいのは負の局面にも心は時間と共に適応していくが、同時に次こそはという改善意欲もまた同じように時間と共に風化してしまうことだろう。なかなか美味しいとこ取りとはいかない。それが人生なのかもしれない。
およそどんな感情も最後は時系列とともに薄まっていく 長野慶太