2013年8月21日水曜日

小説の技巧 デイヴィット・ロッジ まとめ(1)


自らも小説を執筆し、バーミンガム大学で教鞭をとったデイヴィッド・ロッジがその引退後に批評理論を一般読者向けに書いた本。小説作りの舞台裏を見せてもらっているような感覚になる。

言及されているテーマは50と多岐に渡るが、どれも知っておくと面白そうなので全てについて簡単にまとめてみた。量が多いので2回に分ける。今回は前半の1~25まで。

01.書き出し
02.作者の介入
03.サスペンス
04.ティーンエイジ・スカース
05.書簡体章sつ
06.視点
07.ミステリー
08.名前
09.意識の流れ
10.内的独白
11.異化
12.場の感覚
13.リスト
14.人物紹介
15.驚き
16.時間の移動
17.テクストの中の読者
18.天気
19.反復
20.凝った文章
21.間テクスト性
22.実験小説
23.コミック・ノベル
24.マジック・リアリズム
25.表層にとどまる

1.書き出し

作家がわれわれを中に引きずり込む場所。

舞台設定、いきなり会話、語りの手自己紹介、哲学的な回想、窮地に追い込む、文の途中からなど色々なパターンあある。

2.作者の介入

作者の声による語りの技法は、百科事典的知識と処世訓を作品に組み入れる便利な語り方。相対主義的な現代では人気を失った。ポストモダンはそれをさらに逆用する。

3.サスペンス

疑問と答えの提示。

疑問には原因(誰がやったんだ的な)と経緯(次にどうなる的な)ものがある。

4.ティーンエイジ・スカース

書いているより、喋っているように感じられる一人称を用いる。

語り手をI、読者をyouと呼びかける。スラングの繰り返し、気持ちの強さを誇張で示すことなどが用いられる。『ライ麦畑でつかまえて』

5.書簡体小説

18世紀に隆盛を誇る。

手紙においては新しい事態が生じる過程がその都度リアルタイムでたどられる。複数の書き手を導入できるため、異なった視点・解釈を導入できる。

6.視点

虚構の登場人物やその行動に対する読者の感情的、倫理的反応を根本的に左右。

小説家にとっては大事な選択項目。

7.ミステリー

謎の解決。

読者に最終的な安心感を与える。現代作家は謎を未解決のままベールに包む傾向がある。

8.名前

名はつねに何かを意味する。

小説においては名前が無色無透明であることは決してない。

9.意識の流れ

人間の頭の中で思考や感覚がつねに流れている状態を指す。

自分自身の存在以外に何一つ確かなものはないとう唯我論を文学的に表現したもの。『ダロウェイ婦人』

10.内的独白

読者は、ちょうど誰かの頭の中にコードを差し込み、肉体的刺激や観念連想によって被験者の脳裏に呼び起こされる印象、思考、疑問、記憶、空想などを無限に録音し続けるテープをヘッドホンで傍受してる格好になる。『ユリシーズ』

11.異化

日常見慣れたものを非日常的な形で提示することによって、慣習が感覚を鈍らせる作用を克服する。独創性の同義語とも。

12.場の感覚

この要素が入ったのは比較的最近。

古典ロマンスは取り替え可能な背景幕にすぎない。

13.リスト

イメージの展開。

14.人物紹介

小説中の描写はすべて選択的になされるものであり、その基本となる修辞方法は部分で全体を表す提喩である。

15.驚き

ほとんどの物語には読者を驚かす要素が含まれている。

そこには登場人物の無知を知へと転換する要素、すなわち発見を伴っている場合が多い。

16.時間の移動

時間の移動により、人間の生をだらだらに提示すること避け、時間的に大きく隔たった出来事の間に発生する因果関係やアイロニーを我々に見せ付ける。

語りの焦点が時間的によって戻ることによって、実際にはもっと後で起きるにもかかわらず、順番に読み進めている読者が先に体験している出来事の解釈が変わる可能性もある。フラッシュバック。

物語の中の未来において起こる出来事を前もってちらりと見せる。フラッシュフォワード。こちらは映画では難しい。

17.テクストの中の読者

聞き手とは、小説のテクストそのものの中に読者が呼びだされた存在、あるいは代理。

18.天気

感情の誤謬を呼ぶ効果。

感情を自然界の現象に投影してしまう、

19.反復

コミカル、アイロニー、あるいはマクロの次元にある反復をミクロの次元の変化に利用するなど。

20.凝った文章

才気。

21.間テクスト性

あるテクストと別のテクストの関係。

パロディー、全体模倣、主題模倣、間接的言及、直接的引用、構造的平行関係など色々なパターンがある。一つの先行作品に依拠するわけではない。

22.実験小説

異化という恒久的目的へ向けたラディカルな取り組み。

23.コミックノベル

笑える小説。

シチュエーションとタイミングが大事。

24.マジック・リアリズム

奇跡のようなありえない出来事が、その他の面ではリアリズムを標榜している語りの中で起こる。

歴史的にも個人的にも大きな変動を生き抜いてきて、穏やかなリアリズムではその体験を十分に表現できないと感じる作家が用いる傾向にある。

25.表層にとどまる

登場人物の動機や行動に対し、読者が価値判断を下せるような思考をのぞきみさせない手法。

平板的、客観的に語られ、登場人物が内心で下す解釈や作者のコメントが加えられることはない。



**ルピーの下落

USドルに対してトップ20のエマージングマーケットの通貨が下落した。インドルピーは対ドルで過去最安値を記録し63.2となった。投資家は経常赤字を心配し直接投資も減っている。インドネシアも経常赤字が拡大したのを受けて株式市場は-5.6%の下落をしている。タイもまた定義上の景気後退に突入した。

**エジプトの混乱と周辺諸国

先月イスラム派の政権が覆された後からイスラエルはエジプトの軍との連携を慎重にだが推し進めている。その理由はガザを統治しているハマスを孤立させるからである。西洋諸国は武器の禁輸措置や50億ユーロの経済援助を停止しているが、サウジアラビアはアラブはエジプトを助けるべきだとしている。ムバラクの解放はエジプトの政治的衝突を悪化させるだろう。

**アフリカ諸国との租税条約に急ぐオフショアセンター

去年アフリカには500億ドルの直接投資があった。この数字は10年前と比較し2倍だ。世界銀行によるとサハラ以南の国の成長率は5%でありIBMやコカコーラという会社を引きつけている。アフリカとオフショアの間で二重課税条約が結ばれれば、税金が安いオフショアを通じてより多くの直接投資が見込まれる。これは中国がインドが2000年代の大規模な直接投資を引きつけた一因となっている。

**日経平均は360円安の13410円

アジア安を受けて後場は下げる。出来高が戻ってくる。