2013年8月9日金曜日

紙一重が人生の勝敗を分ける 柘植久義





ボナパルト将軍は、ラグランジュやラプラスと数学を、シェーヌと形而上学を、ド=シェニエと詩を、ガロワと政治を、ドヌーと法律を論じ、その豊かで幅広い学識により彼らを驚かせた

軍事関連本らしく歴史上の人物や自分の経験を交えながら、主に情報の取り扱い方について書いてある本です。エッセンスを上げるとすれば下記の三つになると思います。

1.情報は量を集めた上できちんと整理する。質に転換させる。足をきちんと使う。

2.多角的視点を確保する=幅広い知識が必要。

3.最終決断には他人を介入させない。

改めてまとめてみると70歳になる著者のある種の人生訓みたいな本でもあったかなと思います。多作な著者を裏で支えていた考え方を垣間見ることができました。


以下メモ。

**情報について

・情報の伝達は収拾と同じように極めて重要である。情報は届かぬものと考え計画する。

・情報は散逸させないために一箇所に集約させる。3.11の時に政府はこの逆を行い失敗した。

・トップは常に生の情報に接しているべき。また情報担当者の知らない外部と、内部から上がってきた情報を比較するべき。

・指揮官は常に前線近くに身を置く。臨機応変になることにより機を逃さなくなる。ロンメルやグデーリアンは前線で指揮を取ったが、ヒトラーはベルリンで指揮を行い失敗した。

・着実に実績を上げた功労者には、あくまでそれまでの現場の近くに置いておく。スペシャリストからゼネラリストに変身を求めるのは難しい。

・理解しようとしない者や理解力のない者に、いくら説明しても無駄。そこで根回しが必要になる。ただし情報漏洩には気をつける。

・戦争は指揮する者の能力で決まる。203高地は乃木から児玉に変更したところ一週間で奪取した。

・諜報の専門家はその情報源の3/4を新聞雑誌などの公刊物から得ている。

・分析能力は量をこなして質に転換させる。しかしどんなに情報を与えても取捨選択で誤る者もいるので、何かしらの機会でそういった人物(先入観が激しい)は外す。


**著者の情報術

・インパクトの薄い事項は記憶に残りにくいため、メモを行う。取材中は写真を撮るので、取材ノートはホテルに帰ってから行う。ノートは左右に分け、左に項目、右で掘り下げる。

・アイデアに詰まったらすばやく気分転換する。特に場所は大事なので移動する。情報の時系列がわかるように、色を変化させて記録していく。あるテーマについて一冊の専用ノートを作成する。

・情報は索引をつけたり、捨てて簡潔にするなど情報整理をしておく。また散逸をさけるためにスクラップなどはノートにまとめていく。

・早い段階で一つの方向に進むのは、他のすべての可能性を捨て去ることになるので、どの分野においても慎重でなくてはならない。

・情報収集はフィールドワークとしての動。分析は静となる。集める情報の数も必要だ。

・取材旅行ではその場で完結させていく。次の機会はない。

・インプットした情報をできる限り速やかにアウトプットする。記憶を交通整理しておく。

・フィールドワークは一見すると地味だが、物事の背景を知る以上の手段は無い。

・ナポレオンは読書を読み捨てることなく、一冊一冊短円に読書ノートへ感ずるところを記録した


**その他

・何か思い切ったことをやりたい場合は、合議制では難しい。最後の決心は誰にも介入を許さないこと。

・謙虚になりリスク分散を行う

・同年代だけの集まりは、好調な時は良いが不調の時には負の部分が大きくなる。

・低調な時ほど人間は行動にでたがるが、結果としては傷口を拡大してまうケースが多い。

・リーダーの価値は、決断を要する条件下になったときに決まる。

・優れた将は初期の段階で発言せず、ただひたすら部下たちの発言に耳を傾ける。そうして彼らの能力を知ればよい。

・一つの分野で頂点を極めた者は、たいてい別の分野においても高いレベルに到達できる。これは成功というノウハウを感覚的に捉えているから。

・複数の専門分野を持つと、複眼的に物事を眺めることができる。

・旅は古くから、教育のこの上ない場となってきた。

・各分野に幅広い知識を有していることは、一つの物事を多面的に考察できるのを意味する

・大事をやってのける場合、一番大事なのが初志を貫くことである。中途の段階で決心が揺らいだら、とても大きな成功など覚束ない。

・博才に秀でた山本だが、南雲についての評価を間違えた

・伸るか反るかの大勝負は、人生において何度もその機会に恵まれることなど無い。これがやれるか、どうかですべてが決まるわけだから、度胸一つになってくる。

・戦争全体にも、個々の戦闘にも、そこには大きな流れが存在する。それに乗るかのれないかは、時間との競争で勝ち負けが決する、といっても過言ではない。

・ナポレオンは自らかの言葉で、二年以上先を考えたことがないと述べた。


**英中銀、フォワードガイダンス採用へ

失業率が現行の7.8%から7%まで落ちるまで、319年の歴史の中で最も低い0.5%の金利を維持することをCarney総裁が発表した。また生産の回復は過去最低水準であり、その速度からは逃げないとしながらも、インフレが市場の安定をゆさぶる際は金利を上げるとした。

**オバマ、プーチンとの会談をキャンセル

ロシアがスノーデン氏に一時的なビザを発給したことに対して。来月のサンクトペテルブルで行われるG20には参加する。またシリアやイラン問題ではロシアの協力が必要だとしている。

**イベントドリブンの好調

今年のヘッジファンドが3.6%であるのに対し、イベントドリブンは5.7%と上回っている。景気回復による企業の合併などが増えている影響による。しかし細かにみるとS&Pは今年にはいり18%の上昇を示し、またイベントドリブンファンドでも内容は円のトレードなどで上げているなど本義的ではないものによるものも多いようだ。

**日経平均は219円安の13605円

朝に200円上げ午後に500円下げる。なんだか世界で最も難しい相場になってきている。米ではテスラモーターが好決算を発表したのを受け最高値を更新。