2013年9月18日水曜日

太平洋の試練(下) War at sea in the Pacific,1941-1942


本書を読んでみるとミッドウェー海戦は戦闘レベルでの幸運が次々に米軍に降ったことが解る。直掩の零戦は4度に渡る敵の攻撃機を撃退した。それでも守勢に回わされたことにより最後の急降下爆撃機の発見できずに、被弾した。

史上2回目の空母戦で図らずも一種の飽和攻撃のようなものが行われたと考えることもできるのではないだろうか。

ミッドウェイで勝とうと最終的には米軍が勝ったのは確かだろうが、こと戦闘レベルで見るならばこれは日本がことごとくツキに見放されていたとしか思えない。

珊瑚海の戦闘で正規空母2隻を決戦に持ち出せなかったこと、アリューシャン列島に艦隊を差し向けたこと、そもそも海軍省と連合艦隊で戦略レベルで一致していなかったこと等があったにしてもだ。

仮にここで勝っていたらポートモレスビーも再び攻略できたであろうし、そうなれば米軍の反攻もだいぶ遅れその間に指導部でなんらかの政治的妥協が行われていたかもしれない。それは山本が望んだことでもあろう。

ミッドウェー攻略は失敗に終わったが、もう少し丁寧に、いやそれがなくとも、賭けとしては一般に思われている程悪いものではなかったように思えた。

1.戦局の推移
2.日本の戦争計画
3.暗号
4.珊瑚海海戦
5.ミッドウェー
6.勝敗を分けたもの


1.戦局の推移

フィリピン、シンガポール、ABDA艦隊の消滅。勝利の最も重要な要素は制空権だった。

1942/4 南雲率いる空母機動部隊がセイロン島西海岸のコロンボ港を空襲。インド洋は連合軍の世界的な補給線であり、ドイツと日本がペルシャで合流し石油地帯を確保することを恐れた。

ドイツによる春季攻勢によってソ連が耐えられるか。日本がシベリアに出兵しソ連を2つの戦線で戦わせるのか。これも連合国が考えたことである。

マッカーサーは南西太平洋地域の総司令官。ニミッツは太平洋艦隊司令長官と太平洋地域の総司令官の肩書きが与えられた。

2.日本軍の戦争計画

日本は次の段階の戦争計画を持っていなかった。また陸軍と海軍は異なる見解を持っていて、日本の体制はこうした相違を解決する仕組みを持っていなかった。

一つの流れは日本が防御的な姿勢を取る方針。南雲や草鹿が支持者。補給線を強化し、訓練と生産に集中すべきと主張。しかし空母が無傷なままだと外周防御は難しかった。

陸軍は大規模な部隊投入を必要とする作戦全てに反対した。ヒトラーが春季攻勢でソ連を崩壊の縁に追いやった時に、シベリアに侵攻することをもくろんで満州の関東軍を転出させたくなかった。既存の外周を要塞化し、敵の海上交通路を遮断することを主張。そのためにポートモレスビー攻略を提示。

山本はミッドウェイ島攻略を主張。アメリカの空母を叩く狙い。

一方でアメリカは空母ホーネットから15機の陸軍爆撃機B-25を発進させ、東京、横浜、名古屋、神戸、大阪を空襲した。そのうち1機は皇居の上空を通過したが爆撃は行わなかった。しかし海軍の面子は丸潰れになった。爆撃機はそのまま中国大陸へ飛んだ。

3.暗号

真珠湾の海軍工廠の地下にハイポと呼ばれる暗号解読班ができた。隊の頭数は開戦6ヶ月で4倍に膨れた。ロシュフォートが長。

1942年5月、連合軍は日本海軍の無線通信の60%を傍受し、そのうちの40%の解読を試みて、そのうちの10%~15%の暗号郡を解読することに成功した。AFがミッドウェイだと判明する。

4.珊瑚海海戦

史上初の空母同士の海戦。アメリカはレキシントン、日本も祥鳳を失った。互いに索敵情報は混乱し、航空部隊同士が互いにすれ違ったりもした。レーダーと通信技術が少しだが成果を発揮する。

日本軍は祥鳳を失ったこともあり、ポートモレスビー攻略作戦を断念した。後世の歴史家によれば攻略作戦は可能だったと判断されている。戦略的にみると連合軍の勝ちとなる。日本軍はアメリカ軍の倍の飛行機と人員を失った。33機の戦闘機、16機の急降下爆撃機、17機の雷撃機。

もっとも重要なのは翔鶴と瑞鶴がミッドウェイに参加できなくなったこと。

5.ミッドウェイ

杜撰な計画。相手への驕り。戦艦を使いたいという欲求。アリューシャン列島に艦艇を割いたのはアメリカ海軍を引っ張り出すため。図上演習では作戦の欠点はすべて隠された。反対の筆頭は第二艦隊司令長官の近藤信竹だったが、山本は譲らなかった。

ハルゼーが病気になったために第16機動部隊の司令官としてスプルーアンスが着任。

珊瑚海海戦で損傷したヨークタウンは裂け目をいちいち処理するよりも、損傷の上に巨大な鉄板を1枚単純に溶接し、臨時の補修とした。

日本軍はアメリカ空母の所在に関する情報を持っていなかった。山本はマーシャル諸島の長距離偵察とオアフとミッドウェイのあいだに広がった潜水艦による報告に期待を持っていた。

海戦当日は断続的なスコールと高度300mから900mの分厚い一面の雲のせいで、索敵機が苦労する天候であった。

ミッドウェイ島を空襲し零戦は敵戦闘機を事実上全てを破壊。その後飛来した雷撃機6機と4機のB-26も直衛戦闘機により撃墜。ミッドウェイ島の陸上機を破壊すべく雷撃機に魚雷から爆弾に換装を指示。

その間に水上偵察機から10隻の敵水上部隊を発見との知らせ。海戦から六ヶ月と珊瑚海海戦で最初の接触報告を疑う理由は山ほどあったの次なる情報を南雲は待った。

南雲の行動の範囲は時間と状況で厳しく制限されていた。4つの飛行甲板は混雑していた。発艦と着艦は同時にできなく、またエレベーター、換装時間、直衛機の交代、敵の波状攻撃。これらが状況を制約していった。南雲には判断を下さなければならない多くの重大な決断があり、決断を下す時間はごくわずかしかなかった。

8時20分。索敵機から空母を発見したとの報告が入る。この時南雲には二つの選択肢から一つを選ばなくてはいけなかった。一つは朝の攻撃部隊に海上に不時着させること、この場合は9時15分には攻撃隊を発進させることができた。もうひとつは朝の攻撃隊を収容し10時過ぎに攻撃隊を発進させる。南雲は2番目を選択した。

ホーネットの第八雷撃部隊は完全に迎撃し全滅させた。しかし艦隊の北の周辺部に固まっていて、次の第六雷撃部隊が飛来したとき30海里ほど飛ばなくてはならなかった。また第八雷撃部隊のために弾丸を消費していた。

それでも第六雷撃部隊もほとんど生き残れなかった。ただし続く航空攻撃により、上空直衛機をめまぐるしく交代させ、機動部隊は防戦一方になってしまった。

第三雷撃隊が突入も12機のうち10機は撃墜したが、同時に別方向からきたエンタープライズの急降下爆撃機部隊は見逃していた。これらが加賀、赤木、蒼龍を撃沈させた。

残った飛龍から発進した攻撃機がヨークタウンを撃沈したが、その後火災が激しく味方駆逐艦の魚雷によって自ら沈めた。

6.勝敗を分けたもの

ニミッツは兵力の配分では、彼はそれ以外のすべてを排除して、一つのもっとも重要な目的に集中した。日本空母を待ち伏せて殲滅することに。山本の計画が広大で、致命的に複雑であったのにたいして、ニミッツの計画はまっすぐで、的のもっとも弱い点を狙っていた。

アメリカ軍には、いくつかのたんなる思いがけない幸運以上のものが必要だった。海戦は僅差の勝負で、容易に正反対の方向に進んでいたかもしれなかった。日本巡洋艦の索敵機が一時間速くアメリカ空母を発見して、急降下爆撃機が機動部隊に襲いかかる前に効果的な反撃をして、発進させるための貴重な時間を与えていたかもしれない。

これらの急降下爆撃機は、アメリカ軍が保有するもっとも有能な兵器で、まさに絶好のときに、絶好の順序で敵上空に到着した。このとき零戦は低空で遠く広く拡散していた。

幸運な偶然で、エンタープライズとヨークタウンのドーントレスは、べつべつに時刻に発進し、大きく離れた針路で敵に飛行していたのに、同時にべつの方角から艦隊に収束した。

幸運のおかげで、SBDは、容易に一隻か二隻だけに攻撃を集中していたかもしれないのに、べつべつの三隻の日本空母を攻撃して致命的な命中弾を与えた。

続く飛龍の二度の攻撃隊は、エンタープライズとホーネットが充分に航続距離内にいるのに、それぞれヨークタウンを目標にし、三隻のアメリカ空母のうち二隻が無傷で海戦を生き延びるという結果をもたらした。

ニミッツはミッドウェイ海戦が基本的には情報の勝利だったと結論付けている。

南雲と第一航空艦隊幕僚は必要な改革の会合を持った。発着艦作業の改善、装甲甲板、応急被害対策、消化手順の改善、直衛戦闘機の増加。

多くの日本軍幹部は索敵飛行の不備を敗北の原因とした。源田実航空参謀は、日本軍は偵察の重要性を十分に知っていたが、にもかかわらず攻撃をあまりにも重んじすぎたと振り返った。

近藤信竹は、わが軍が大敗したのには、ミッドウェイ島近くにアメリカ機動部隊が存在するという兆候まったく得ていなかったからである。高速長距離偵察機の必要性が痛感された。潜水艦によって前方と両側面に警戒幕を配して十分な対策をとらなかったこと。そして前もってミッドウェイ島に潜水艦を数隻派遣して情報収集をさせなかったことは痛恨の極みであるとした。

**ウクライナ、コーン輸出国大国へ

ウクライナは東欧の穀倉地帯と呼ばれてきた。そしてここ数年天候が変化したこと、規制が少ないこと、利益が大きいこともあってコーンの輸出が増えている。今年の収穫量は2900万トンでそのうち1800万トンを輸出する。これは前年比35%増でアルゼンチンやブラジルと共に世界で2番目となる。輸出先はエジプト、イスラエル、スペインだが韓国、日本、マレーシアといった国も輸入国の分散先として今後が期待されている。今年は総計で55億ドルの輸出となるとされている。

set the stage for ~の準備をする

**サマーズ、Fed議長候補から撤退

上院の公聴会が手厳しいとして。サマーズはオバマのお気に入りでタカ派だった。これによって最右翼になったのは現FRB副議長のYellen。市場はハト派で低金利とQEが続くものとみて好感している。次期議長が決まるのは9/21以降の秋である。

**米金利上昇がもたらす4つの影響

明日のtaperingでどんな決定にしろ、巨額の買い入れ方針が止まることになる。これまでQEは世界経済がスランプに陥るのをその低金利によって防いできた。金利が上昇すると次の事が予想される。EUやUKの中央銀行も金利を上げざるを得ないこと。米国債は40%が外国人に保有されており、特に外国の中央銀行によって保持されているがこれが損失を受けること。エマージングマーケットの資金調達コストが高まること。企業の資金調達コストが高まること。

tremor 震え

**日経平均は93円安の14311円。

taperingを明日に控える。売買代金は東証1部が1兆8879億円。マザーズが848億円。主力が動かないので建設株が上位を占める。三住建設が1位、鉄建が2位、大豊建設が4位、冶金工が7位。大成建設は9位だった。