2014年2月11日火曜日

2014年2月のマークファーバー

先月に続いて貧困と援助の関係について。まず最初に2014年1月17日にビル・ゲイツ夫妻がWall Street Journalに寄稿したものを引用している。

ビル・ゲイツは世界の貧困には3つの神話があるとしそれぞれに反論をしている。

■ビル・ゲイツの主張

1.貧困国はずっと貧困のままだ

ゲイツが生まれた1955年は先進国(主に西洋)と共産圏、その他の3つの世界で、貧困はこの第3の世界のことを指していた。米国の1人当たりの所得が15000ドルの時、ブラジルは1982ドル、中国は928ドル、ボツワナは393ドルであった。

しかし現在これらの国は数倍になっており貧困ではない。メキシコシティ、ナイロビ、上海といった都市の過去と現在の写真を引き合いにだしこれを説明している。

特にこの過去5年で成長率が最も高かった10カ国のうち7カ国はアフリカだった。そして2035年にはほとんどの国が貧困国はなくなるとしている。

2.援助は無駄遣いだ

良く言われる非難の一つに援助は独裁政権を太らすだけだというものがある。冷戦時は同盟国を作るためにそのようなこともあったが、現在は状況が変わっている。完全に腐敗を失くすことはできないが小さくする努力はしている。おそらく人命救助費用の2%程度だろう。

3.人命救助は世界の人口過剰をもたらす

直感に反するかもしれないがそれは違う。多くの子供の命が救われることによって、両親は出産する子供の数を減らすようになる。例えば1960年のタイでは6人の子を作っていたが、現在は1.6人だ。

■マーク・ファーバーの反論

ビル・ゲイツの財団が貢献しているのは間違いないだろう。しかし過去50年の改善が外国による援助によるものだという仮定は間違っている。大事なのは資本主義だ。市場経済、民法、財産権、直接投資といったものが主要な要因だ。特に水道網の整備はキーファクターだ。

援助が効果的でないのはハイチを見れば明らかだ。ハイチはNGO共和国といわれるほど援助が入っているが、貧困は未だはびこっている。

貧困率が下がるだろうというのは恐らくそうであろう。しかし絶対的な貧困の数は増える。

多くを与えることよりも、少なく与えるにはどうするかを考えるべきである。そのとき完全ではないが効果的なのが自由経済であり資本主義だ。

■エマージングマーケットは買いか

エマージングマーケットはバリュエーションの観点から高くはないとはいえる。しかし投資家はエマージングマーケットの成長ストーリーに対して楽観的にすぎる。例えばタイの株はずっとお買い得のように見えるがベトナムとの製造業争いが懸念される。

また現在のエマージングマーケットの通貨政策には2つ選択肢があると思う。1つは利上げをし信用拡大を防ぎ、インフレ圧力を消す政策。もう1つは通貨安を維持するかあるいはさらに安く誘導する政策だ。

しかしいずれの政策をとっても多国籍企業の利益は圧力を感じるだろう。

米国株は12月の下値を下回ってくれば-20%程度の下落が起こっても不思議ではない(既に下回った)。個人的にはそれが起こるだろうと思っている。

■感想

先月に続いて援助問題だった。ニーアル・ファーガソンの劣化国家を読んでいるとビル・ゲイツよりもマーク・ファーバーの方に軍配があがると思う。

財産権や民法などの基礎的要件を制定すればあとは基本的には政府は介入しない方がいい。それは日本の米や社会保障をみれば解る。援助をすると基本的に人は真面目に働かなくなる。それを前提として様々な介入策が次々になされるのはそもそもの問題点を履き違えているということになる。

マーク・ファーバーも最後に書いていたが、これは現代のFRBや日銀の経済への介入政策と同じである。子育ても部下もおそらく同じであろう。歪んだインセンティブのつけかたは最終的には悪い結果をもたらす。

そういうわけで税金減らして欲しい。フラットタックスにしてくれないかな。3月が近い(ためいき)


**Moocは多すぎる、開放しすぎている

カリフォルニア大学の学長の発言。10万人の登録を誇るが半分は講義を受けていない。ましてや最後まではもっと少ない。レベルのばらつきも大きい。Spocs。Smallでprivateなものが求められている。

**スコットランドの独立問題

2014年9月に投票が行われるが高齢化している人口問題が残る。

**アフリカで高まるMBA

6%の成長を続けるアフリカだがマネジメント層の不足がありMBAが求められている。GMATのテストも5490回行われ、東ヨーロッパを上回りカナダやラテンアメリカより1000回足りない程度である。

**株式依存を強める投資銀行

株式トレーディングとアンダーライティングが収入の半分を占めるようになり、債券の比率が下がる。

**フランス300億ユーロの給与税削減

低迷する支持率と成長へのてこ入れ。

**移民するルーマニアの医者

良い賃金を求めフランス、イギリス、ドイツへの移民が増加。ルーマニア国内では医師不足。

**日本の製造業 円安の恩恵得られず

海外への生産移転や競争力の欠如による。

**Walls Fargo、JPMorganを上回る

資産額で最高のJPMorganは訴訟費用がかさむ。

**Bitcoin

各国政府が警告を発するが価格は高値にある。一方で取引額は減少傾向。

**IMF デフレリスクを指摘

各国中銀はデフレを恐れ非伝統的な金融政策を採っているとラガルドが指摘。

**音楽 ストリーム配信に自信

実物CDの販売下落は世界的傾向だがダウンロードサービスの伸びも鈍い。その中でストリーム配信が好調でここが本命になる可能性がある。