2014年2月21日金曜日

数学的決断の技術


他の本を探している中で偶然出会った本になるがなかなか興味深かった。普段なにげなく使っている確率でも系統的になにを問題としているのか、前提は何なのかといったことから分類整理できるのは大いに役立つ。

最後の行動と可能性は不可分というのを数学として提示されるとき運命という言葉が概念が拡張されるのではないだろうか。

意思決定の場に立たされたとき自らがどの基準に従っているのか、あるいは他の確率ならどう考えるのだろうかと考えるきっかけにもなるかもしれない。

■ナイトの三つの確率

1.先験的確率

完全な対称性から定義される数学的確率。いわゆる学校で習う確率。実生活では前提を満たすものが少ないので直接役に立つとはいえない。

2.統計的確率

経験的に安定した相対頻度で観測されるもので、過去のデータが未来にも適用できるという前提で用いられる。

3.推定

対称性などのいかなる分類根拠もなく、論理的に大きな困難を秘めている。最初の2つが測定可能で第3が真の不確実性を表している。

■意思決定の四つの型

1.期待値基準

膨大に試行した際の平均値を見る方法。

2.MaxMin基準

最悪の事態を想定する方法。

ナイトは確率を割り振れる場合をリスク(risk)と呼び、確率さえわからない場合を不確実性(uncertainty)と呼んで区別したが、この後者の場合にMaxMin基準は妥当性を持つ。

3.最大機会損失最小化基準

未来に生じる後悔を最小化する方法。

滅多に使われないが恋愛などではよく観察できる。

4.MaxMax基準

もっとも上手く行った場合を想定する。

人生を何回もできるなら宝くじには合理性はないが、人生は一回であることを考えるとその劇的さはある種の合理性を持つ。

■最新の意思決定理論

a.サプライズ

これまで列挙してきた確率は基本的には伝統的な確率理論を下敷きにしていた。つまり、出来事の基礎を成す素事象を列挙し、それに起きやすさとしとしての確率を割り当てるという方法だ。

これに対して、想定外の事態こそが人々を動かすという視点がある。現実の中の意志決定者は、いつも予測不能な、計測不可能な不確実性に直面し、サプライズの渦中にいると考える。

そして過去のデータか未来は決して予測できないとし、通常の確率・統計の理論を真っ向から否定する。過去にこうだったから、未来もこうだ、とする推論を帰納法と言い、確率・統計は帰納的推論の典型だが、これをナンセンスであるとする。

大事なのは試行自体がそれがなされた環境を永久に破壊する場合だと考える。これを分割不可能な非継続性と呼び、長期に何が起こるかではなく、次のただ1回に何が起こるべきか、を問うべきだとする。

シャックルはサプライズを定式化し、確率の変わりに潜在的意外性を使った。

b.ベイズ推定

情報の入手によって推定をアップデートする方法。

c.複数信念

人は同じ出来事に対して、0.8かもしれないし0.9かもしれないと複数と数値を割り当てることがある。複数信念理論は、推定が困難なときに単に思考停止するのではなく、複数になってもいいから、推定を出来る限り定量化する技術といえる。

■可能性と行動

可能性と行動は切り離して扱うことはできない。人生において、多くの場面で決断が可能性を生み出し、行動が行く先の道を枝分かれさせる誘因なのである。そうだとすれば、私たちは可能性を頭の中から取り出し、冷静に値踏みして、決断を下すということは不可能になる。

結局、運命という名のたった一つのレールの上を歩いていくだけなのかもしれない。

**軍事政権だが株価は好調なエジプト

エジプト危機から既に70%も上昇し、リーマンショック後の高値を更新している。誰が買い手なのか?それはどうやらローカルの投資家のようだ。債券から株式に変える動きがあるといい、またローカルの投資家は海外通貨を簡単には手に入らないのも原因だとしている。今後上昇するには海外資金が必要だが、現在のところ海外投資家は本格的には参入していない模様だ。

**日銀流動性供給を増強

企業と家計に借入を促す政策を採用し、貸付増による波及効果を狙う。しかし貸付と緩和策の関係性には疑問符も寄せられる。

**歴史の教訓

1899年に100ポンドを株式市場に投資していれば現在2214856ポンドになる。しかし人間は死んでいる。長期的に見れば株式はインフレを上回るリターンを出すというが、損をしている時間は思ったよりも長い。1900年以来だと米国で16年、英国で22年、オーストリアでは97年、ベルギーでは58年、スペインでは58年、ドイツでは55年の間損をしている期間がある。