2014年7月10日木曜日

樫本大進 チャイコフスキー ヴァイオリン・コンチェルト


ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲シリーズを聞いてすっかりファンになったので、今回の演奏も非常に楽しみにしていた。

サントリーホールもさすがに満員で人気の程が伺え、NHKのカメラも入っていた。日本を代表するヴァイオリニストといって間違いない。

チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲はとにかく指が回らないと弾けない曲で、以前に師事していた先生も小さい頃からヴァイオリンを初めていたものの、弾けない曲だと言っていた。

演奏は情感豊かな部分はたっぷりと時間もヴィブラートも使い、速い部分はとにかく速くという構成だった。私は普段ハイフェッツで聞いているが、この速い部分はハイフェッツ以上だったかもしれない。

惜しむらくは速さ優先の為か音量が犠牲になっていたことか。座っていた席が20列目というのもあったが、その部分だけが少し残念だった。

アンコールはバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタの第3番からラルゴ。繊細な音を丁寧に弾いていてとても良かった。彼は自分の音を持っていますよね。心地良い。やっぱり満足な公演でした。

ちなみに指揮者の山田和樹と樫本大進は同い年でさらに二人ともベルリンに在住しているとこのこと。1979年と同じ歳の活躍を見るというのは嬉しい反面、自分に降りかかってきますね。

35歳という年齢は分野にもよりますが、キャリアの中で一番充実させなくてはいけない時期になって来ているのかもしれません。自分の場合は果たしてどうか。

■チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲

チャイコフスキー(1840-93)は結婚するものの、元々同性愛者であったためにすぐに破局した。この曲は1878年に傷心の旅で赴いたスイスで作曲された。この地で同性愛者でヴァイオリン奏者のコーテクと落ち合い、その助言も受けながら書かれた。

しかし完成された作品はなかなか受け入れられず、初演してもうらはずだった名手アウアーにも演奏を拒絶された。初演は1881年にウィーンでなんとかなされたが酷評された。しかし真価を見抜いたブロツキーが各地で本曲を取り上げることにより名曲としての地位を確立した。

第1楽章はロシア的な情感に満ちた主題。第2楽章は哀愁の旋律。第3楽章は民族舞曲風の活力をヴァイオリン名技と結びつけた華麗なフィナーレ。