2014年8月19日火曜日

勝てる野球の統計学


10年くらい前にマネーボールが発売されたときは大いに興奮したものだった。今回はその日本バージョン。色々進化はあるようだが、やはりOPSの相関係数0.95に惹かれてしまう。

無理な重み付けをするよりは、こういった単純だが有用性のある指標に絞って使用した方が、こういったデータは正しく運用できるのではないかと複雑系出身者には思ってしまうがどうであろうか。

とはいえひとつひとつのプレーの価値なんかは頭に入れておくと面白そうだし、チーム全体の得失点が勝利とどのような関係になっているかを知っていればペナント予想もやりすい。

本にもあったが、こうやってデータを提供することにより新しい面白みがファンに提供されるというのが一番なのかもしれない。

■プレーの価値

プレー価値 = プレー時に入った得点  + プレー後の得点期待値 - プレー前の得点期待値

と定義した場合の結果別得点価値は以下の通りになる。

単打 0.44
二塁打 0.78
三塁打 1.13
本塁打 1.42
失策出塁 0.48
四球 0.29
死球 0.32
アウト -0.26
併殺打 -0.77
三振 -0.25
盗塁 0.17
盗塁刺 -0.40

勝利の観点からみると得点が10点増えれば1勝、10点減れば1勝減少する。

■打率よりもOPS

得点と打率の相関係数は0.81
得点と出塁率の相関係数は0.86
得点と長打率の相関係数は0.91
得点とOPSの相関係数は0.95

ここでOPS = 出塁率 + 長打率

ただし得点期待値から見ると出塁率が過小評価されているため、近年では係数をかける。日本の場合は1.57。

OPS = 1.57 * 出塁率 + 長打率

2013年ではバレンティンの1.234が群を抜くが、3位にDeNAの梶谷が入ってくる。ちなみに歴代の三冠王をみてみると

1.王貞治(1974) 1.293
2.バース(1986) 1.258
3.王貞治(1973) 1.255
4.落合博満(1985) 1.244
5.バレンティン(2013) 1.234

という具合になる。ちなみに1974年の王の出塁率は0.532であった!

■投手の指標 QS WHIP IR

メジャーリーグではQS(Quality Start)が先発投手の指標として用いられる。これは先発で6回以上登板し、自責点3点以下ときに記録されるものである。これにより勝敗が打線の援護があったのかなかったのかが解る。

また1イニングあたりに許す出塁数を表すWHIPがある。式は

WHIP = (被安打  + 与四球) / (投球回数)

一般に1.2以下でエース級と呼ばれる。2013年の田中は0.94、前田は0.96である。

中継ぎ投手にはランナーを背負った状況下で生還させない、IR(Inherited runners)がある。平均は28%だが、巨人の山口と青木は0である。これはこの年一人も生還させていないことを示している。森福は8%である。

■野手の守備はUZR

UZRは同じポジションの平均的な選手に比べて何点分の失点を防いだかの指標になる。特徴は守備範囲と得点に換算した値になっていることである。

UZR = 守備範囲 + 失策しない能力 + 併殺奪取能力 + 肩力

■勝ちへの貢献を測るWAR

WARは選手を総合的に評価した値で、投手と野手も同じ評価に落とすことができ、その選手が何勝分であるかを示す。平均的な選手は2である。

2013年ではバレンティンが8.3、阿部慎之助が6.9、鳥谷も6.9、その次が村田の5.4となってくる。投手では浅村が7.5、田中が7.1と印象と違った評価になってくる。