**カード使用手数料に上限か
EUの当該機関がクレジットカードとデビットカードの手数料に上限をつける計画。当初の2年はクロスボーダー取引の上限を0.2%とし2年の移行期間をもって導入する。
**コングロマリッドと韓国
chaebolと呼ばれる巨大コングロマリッドとその他の中小企業の差が大きくなっていることを報じている。10社でGDPの79%を生み出しているが雇用は10%に過ぎない。サムスンは1社でGDPの28%を占めている。
**グローバルマクロの復活
Caxton,Tudor,Moore Capitalといったグローバルマクロ系のヘッジファンドが復活している。背景にあるのは各国政府が異なる金融政策を取っていることなどがある。また低下するボラティリティにはレバレッジを上げている模様だ。
ボルヘスの伝奇集が難解という事なので、先回りしてボルヘス本人のエッセー集を読むことにしてみました。
最近感じていることですが、やはり解説本なんかよりは多少難しくても本人が書いたものにあたった方が良いですね。
編集されているものは事前に想定している以上に解説者の思考が混じっていていて原典をあたった後にびっくりする事が多いです。
人間はやはり自分の見たいもの、心に触れるものしか情報から拾いあげられないということの証左なのかもしれません。
さて、本書ですがボルヘス・コレクションと称して全7冊にまとめられた評論エッセーの第1巻です。
約20のエッセーから構成されているので、対象となっている話は多岐に渡りますが、テーマとして強く意識されているのは『確定しえないもの』ではないのかと思いました。
ホメロスの形式的形容詞が本人の意思による強意なのか否か、ローマではなくアレキサンドリアが勝っていた場合の宇宙生成論、地獄はなぜ永遠なのか、アキレスと亀にみる無限の遡行性、フローベルの『ブヴァールとペキュシェ』のテーマ、などを論じているエッセーは『確定しえないもの』というくくりで囲うことができるのではないかなと。
それぞれのテーマが豆知識豊富な上に考察が深いのでそれを読んでいるだけでも結構楽しめたりします。個人的にはバシレイデスの宇宙生成論を紹介しているくだりがとても面白かったので抜粋してみます。
神から発生した下位の神々は、神から遠ざかるにつれて徐々に減退して衰弱し、遂にはひどい物質でもって人間を作るという、おぞましいことまでする神になりさがる。
本質的に取るに足らないひとつの過程として想像された世界、天上の古いエピソードから消え去った、その傍系的反映として想像された世界、これは驚嘆すべき発想である。単なる偶然としての創造。
そこで説かれているのはわれわれの罪悪ではなく、われわれの本然的な無意味である。
ローマではなくてアレクサンドリアが勝利を収めていたら、私が上に要約したような奇妙で怪しげな説が、論理的一貫性を持った、威厳のある、そして日常的なものとなっていただろう。
神の定義が変わるならそこで説かれる教義も変わるというというのがとても面白いところですね。
ということで『確定しえないもの』という先入観を持って伝奇集を読んでみたいと思います。少しでもかすっててくれると良いのですが。