2013/10/08

主戦か講和か(1) 主戦派、早期講和派、中間派


陸軍からみた終戦工作を見た本。戦後は海軍善玉論と暴走した陸軍がセットになって流布されたが、実情は異なる。一つには終戦は天皇による聖断で決まったというストーリーがあったので、いわゆる陸軍の中の早期講和派は声高に語るのを控えたという事情もあったようである。

本書は作戦課の人事の話をはじめ細かい点も多いが、そこを知らなければ終戦にどうやって漕ぎついたか、あるいはどうして終戦が遅くなってしまったのかが理解できないであろう。

数回に渡ってまとめていきたいと思う。

1.主戦派

主戦派は参謀本部作戦課(第二課)。国防、用兵、作戦、天皇への上奏書類の作成を担当し、陸軍中央では抜きん出た中核組織。

本書では主としてアメリカとの開戦に最も熱心だった開戦時の参謀本部作戦課の参謀を指す。特に中心的だったのは服部卓四郎大佐。

2.早期講和派

早期講和派は参謀本部戦争指導課(戦争指導班)。1936年に長期戦に備えるという目的で石原莞爾によって設立された新設の部署。

石原が日中戦争の拡大に反対し部署としての力が落ちると1937年に作戦課に吸収され戦争指導班となり、作戦課の下部組織となる。が、その後も参謀総長・次長の直属機関、陸軍軍務課と合併したりと上位組織を変えていくことになる。

石原が想定した作戦指導課の役割は軍政間の合意形成。具体的には、国家戦略の判断材料となる戦争指導案文を戦力的観点から案出すること。大本営政府連絡会議などに提出される議案作成のために審議に参画すること。

作戦課と戦争指導課が対立したのは、国策に決定する共通の役割があったから。事実、反作戦課の人材は戦争指導課に集まった。しかし人数は作戦課が20名に対して、戦争指導課は多くても5名であった。

主要人物は松谷誠、酒井高次。

3.中間派

戦争継続路線と早期講和の間にあって、両者を天秤にかけながら、政治的判断をしていたグループ。

当初は主戦派の意向になびきつつ、戦局の悪化とともに意見を変え、早期講和派の主張を取り入れた。

杉山、梅津、阿南といった中間派の首脳は最終的な決定権を要していた。


4.戦前

ポーランド侵攻やフランスへの電撃戦の影響により陸軍はドイツに心酔していた。

1931年9月に満州事変を起こし満州国を建国した。その後には、第二の満州国に作ろうと華北分離工作を推し進める。

1937年7月に盧溝橋が起こり日中全面戦争に突入したが、この背景には満州事変時に4ヶ月で制圧できた記憶があった事もあり、効果的な一撃を蒋介石に与えれば国民党は簡単に屈服するという楽観的な見通しがった。

この対支一撃論は、当時の参謀本部作戦課長武藤章と軍務局軍事課長田中新一らによって主張された。石原莞爾作戦部長や河辺虎四郎戦争指導課長は不拡大派だった。悲観論者とみなされた不拡大派はその後、陸軍中央になかなか復帰できなかった。

1937年11月からはドイツを仲介とした日中和平工作である、トラウトマン和平工作が行われたが、南京占領に自信を深めた政府が交渉を打ち切った(国民政府を対手とせずby近衛主張)。これはこの時期、軍部であっても政治を完全に掌握していなことを意味していた。

1939年5月からは5ヶ月に及ぶノモンハン事件が起こった。これを主導したのが、当時関東軍第一課(関東軍作戦課)に在職していた、服部卓四郎と辻正信。

ソ連の反撃に遭い戦力の1/3を失う大打撃を被ったので大本営は事態収拾案を出したが、関東軍はそれを呑まずに大本営と関東軍は対立した。この時もっとも強硬だったのが服部と辻であり、静止する大本営を無視して攻撃の続行を図った。

結局第二次世界大戦が始まったので矛を収めたが、服部や辻は短期間の申し訳程度の左遷で、開戦時には参謀本部作戦課に戻るという人事であった。

心象賞罰は陸軍では公正でなかった。積極論者が過失した場合、人事当局は大目にみた。一方、自重論者は卑怯者扱いにされ勝ちで、その上もしも過失を犯せば、手厳しく責任を追及される場合が少なくなかった。このような陸軍人事行政は、つぎつぎに平地に波瀾をまきおこして行く猪突性を助長する結果となった。(林三郎)
**安倍、早期の労働市場改革の挫折を認める

安倍首相がFT紙のインタビューに応じている。その中で、労働市場改革には強い反対があったとして次の政策パッケージに入れることを断念したとし、この問題は他の問題よりも丁寧な説明が必要だとした。また法人税減税は財務大臣や閣僚から反対があり実行できなかったが、現在の38%という数字はドイツの30%以下の数字に比べて高すぎ、企業が国際競争力を保てないと述べた。

plank 政策

**大手投資銀行、free mesasge serviceの導入へ

ロイターの提供するMarkitをGoldman、Deutsche、Citi、Credit Suisse、Barclays、JPMorgan、Morgan Stanley、Bank of America、GFIが導入する。インスタントメッセージ機能はこれまでBloombergが提供しており、情報交換機能を提供していたが、1台あたり20000ドルと高価であった。新サービスは中央として働き、安全にライバル銀行と繋がることができる。

**LME、ポジションの公開へ

LMEはヘッジファンドや大手のポジションを公開することに決定した。これまで発表してこなかったことに対して透明性が確保できない原因だと批判されていたのに応えたことになる。同様の措置はNYMEX、NYSE、ICEなどでも実施されてきた。LMEの価格は多くの市場でベンチマークとして使用されている。またLMEはHong Kong Exchanges & Clearing に去年14億ポンドで買収されている。