2013/10/07

イワン・イリッチの死 トルストイ 死の床で何を思うか



イワン・イリッチは、最近、ただ過去の追想のみに生きていた。
その当時よろこびと思われたものが、今の彼の目から見ると、すべてむ空しく消えてしまい、なにかやくざなものと化し終り、その多くは穢らわしいものにさえ思われた。

幼年時代から遠ざかって、現在に近づけば近づくほど、喜びはますますつまらない、疑わしいものになってきた。

世間の目から見ると、自分は山を登っていた。ところが、ちょうどそれと同じ程度に、生命が自分の足もとからのがれていたのだ。

そうだ、なにもかも間違っていた、と彼はひとりごちた。しかしそれは別にかまいやしない、大丈夫、大丈夫。本当のことをすることもできる。だが本当のこととはなんだろう?と彼は自問した。それは三日前の終わりで、死ぬ二時間まえのことであった。

死に備え記録を整えておきたい

解説によればトルストイは、アンナ・カレーニナの完成のあと10年間芸術活動から離れていたらしい。イワン・イリッチは死の直前でその本当のことを見つけたが、それは著者がその10年で見つけたテーマなのかもしれない。

作品中では動けなくなってから色々な事が煩わしくなり、時間の感覚がおかしくなっていくのが描かれている。これはなんとなく想像できる。たぶんそうなるのだろうなぁと。

思ったのは、そのような状況におかれた時に追想だけでは色々な過去を取りこぼしてしまうのでもったいないなと。人間は基本的にインパクトの大きい事を優先して覚えている、しかもどちらかと言えば悪いことを覚えていたりする。なんとも思い出すには都合が悪い。しかしそれでさえ風化してしまう。

思い出せるのは良く解らないけどとにかく覚えている事のみ。でも人生は嬉しいことも悲しいこともそれこそ数多くあったのだから思い返してみたい。死が直前にあるとすれば、先を心配する必要もないので、そんなこともあったなぁと純粋に思えるのではないだろうか。

しかしそれも脳の記憶だけに頼っていてはおぼつかない。やはりきっかけとなる記録が必要なのではないか。色々な個別事象を楽しんだり悲しんだりした後に、そういったものをトータルでみてどう判断を下せるのか(もちろんそれが大事なのか否かという問題も含めて)解らない。が、少なくともそれができるような環境にはしておきたい。

そう考えると記録を残しておくのは、未来の自分への自分用のものと考えられなくもない。

また引用した部分にあるように、社会的な価値観から離れた、自分にとっての本当の事を見つけるというのは現代人にとってはやらなくては大きな問題なのかもしれない。

**フランス、Amazonの無料配送を規制へ

文化大臣が戦略的ダンピングでフランス国内の小売店に対して不公平だと主張していた。これによりカタログ販売やAmazonを主にしていた小規模出版社は影響を受けることになる。社会主義政権のHollandはEUに対し、Google、Faecbook、amazonといったオンライン企業に対し課税をすることを求めている。


**レポ市場に参入するヘッジファンド

OchZiffやMoore Capitalといったヘッジファンドがレポ市場に参入している。レポ市場はかつて銀行が主役であったが金融危機後、レバレッジ規制により薄い利益であるこの分野から撤退していた。この担保を短期ローンにする機能は、他のビジネスにつなげる目的でアドオンとしてサービスが行われていた。レポ市場は信用市場の極めて重要な源であるが、金融危機の際に重要な役割を果たしたとして当局の捜査が入っていた。

pawn 担保

**Samsung、過去最高益

第三四半期は僅かに市場予想を上回る94億ドルの営業利益となった。年換算では24%の増収となる。半導体市況の回復が原因となる。半導体市場は合併や小規模企業の撤退などにより、現在は高い参入障壁になっている。Samsungでは半導体は利益の14%を占めているが2015年には30%に達するだろうと予想されている。

bounce back 回復する
operating profit 営業利益

**日経平均は132円安の14024円

東証一部の売買代金は1兆8592億円。マザーズは1471億円。米国の雇用統計は政府凍結のため無し。