2013年10月29日火曜日

主戦か講和か(10) 先制主導と負けるが勝ち コンセンサス形成に必要以上の時間をかける組織


アジア太平洋戦争期の陸軍は、戦争継続一枚岩・一辺倒で、終戦工作派に裏をかかれ不本意ながら戦争終結に移行した、というのが現代史の一般的な見解である。

しかしこの史観は、戦後の指導者になった、吉田茂、重光葵、加瀬俊一、迫水久常といった保守派政治家が、自己の政治的地位を温存し、陸軍に戦争責任を押し付けることで、暴走する陸軍というイメージを作り上げてきたことによるものである。

戦争終結へといたる過程を陸軍個人の視点や、派閥構成から分析してみると、陸軍なりの戦争終結構想や終戦工作があり、意外にも主体的に戦争終結に向けて動いてた勢力もあったことが解る。

陸軍悪玉論という見方は、戦後日本人に強い印象を残したが、実際の陸軍の内部は様々なグループによって構成され、互いに反目し合っていた。歴史の実相はかなり異なっていた。

31年の満州事変以後、陸軍ではドイツを見習うべきだという声が組織を支配するようになった。そしてドイツの勝利に期待戦略を立てるようになったが、戦争中盤以降はそれが通用しなくなった。そのような中で、ドイツの勝利に懐疑的な軍人を軸に早期講和派が形成された。

ソ連仲介による終戦論は、主戦派が容易に後退しなかったこともあり、案出されてから2年も遅れた45年6月に採用となったが、その時は既にヤルタ会談が行われた後であった。

陸軍の戦争終結構想は、主戦派にも早期講和派にも存在していたが、いずれもドイツの戦況を判断材料にしていた。太平洋の戦況はドイツの戦況ほど大きな判断材料にはならなかった。

陸軍が太平洋の戦況という現実に本格的に目を向けたのは45年5月のドイツ降伏前後からであった。そして争点は本土決戦が可能かに否かに変化していくのである。

日本の戦況よりもヨーロッパの戦況が戦争指導における判断基準になった理由は、44年10月にフィリピン戦で主力部隊が米軍の圧倒的火力に叩きのめされるまで、陸軍が米軍との実力差を実感する機会があまりなかったことが一つ。ドイツが第二次世界大戦開戦時の国境線まで退却したのは44年冬から翌年であったこと。国民党との大陸打通作戦では勝利をおさめていたことなどによる。

先制主導とは、戦争での積極的作戦が戦局の主導権を握るという考え方で、服部は陸大教わったのであろう。また田中新一、辻正信ならにも通じる傾向であるが、この立場では勝っている時は抜群の強さを見せるが、負け戦に転じてもなかなかこちらから戦争を止めることができないという弱点がある。服部や辻はこの先制主導の権化ともいうべき存在であった。

一方で、負けるが勝ちとは日本を終戦に導いた鈴木貫太郎首相がたびたび語っている文言で、徹底的に敗北するよりも、うまく負けてその後の復興を進めるほうが良いという主張である。

全体をみると陸軍組織では、戦局が悪化し敗色濃厚となると、その巨大組織がいかに敗北を受容するかという課題が残った。人事的に主戦派を排除するのに多くの時間が費やされ、戦争終結が遅れたのである。組織のコンセンサスを得るのに、必要以上の時間を食うのは今にも通じる日本の組織の問題ともいえる。


**フランス中銀総裁、ロビン・フット税に懸念を表明

EUが導入を図っている金融取引税、一般にトービンタックスのちにロビン・フット税と呼ばれる税金に対してNoyer総裁が懸念を表明した。プランはEUを批准している11ヶ国で350億ユーロを集めるものだが、仕事がフランスから外に移り、流動性が失われ、最も大きな問題はレポ市場が干上がることだと述べた。

**ドイツ、アメリカに情報を求める

Merkel首相の携帯電話を2002年から盗聴していたとされる件で、ドイツの内務大臣はアメリカに対し完全な情報を求めるとし、もしアメリカが盗聴していたらそれはドイツの法律に違反する述べた。Merkel首相は情報長官をワシントンに派遣し、アメリカ国家安全保障局は今後2週間でオバマにレビューを送る事になっている。しかし米国政府と議会はテロリスト対策に海外の電話やインターネットの盗聴は必要だとしている。

**取引市場業界

12月にICEによるNYSE Euronextの買収が承認される方向である。この買収は100億ドルにのぼり、2007年のCMEによるCBOTの買収以来の大型買収となる。Euronextはパリ、アムステルダム、ブリュッセル、リスボンの株式市場を持っているが、ICEはこれを売却するという観測も根強い。

過去にEuropean Commissionはドイツ証券取引所とNYSE Euronextの合併を禁止したり、オーストリアはシンガポール証券取引所がオーストリア証券取引所を買収するのを阻止したりと難しい場合が多い。しかしシンガポール証券取引所はその強いバランスシートを基に未だ買収を考えている。

日本は1月に東証と大証が合併したが、Tocomは規制当局により見過ごされている。NASDAQはLSEとの提携を模索している。動きのある業界だが、どのビジネスモデルが良いのかは今後2年経たないと解らない。

日経平均終値:14396(+307)
東証一部売買代金:1兆7154億
マザーズ売買代金:1510億
最高値銘柄:
最高値銘柄数:17
最低値銘柄数:7
売買代金上位:大豊建設、日立、熊谷組

S&P終値:1762
S&P売買高:1991475
最高値銘柄:
最高値銘柄数:162
最低値銘柄数:6
売買代金上位:RIG、DELL、INTL、BMY