2013/10/24

迷いながら強くなる 羽生善治 終わりよければすべてよし。そして道を歩く。


文字も大きく1時間ちょっと読める本。内容は毎回同じようなことだが、勝負事の世界にいるとだいたいこのような話に収斂するので仕方ない。それでも未知の局面に対してどう対処するかという点については良い指針になるのではないか。

例えばこの前、老子で話をして何もしないことについて評価が分かれた。だが、何もしない勇気や自分ではないものに身を任せる、といった部分はこの本を読めば意味としては理解できるのではないかと思う(体験ではない)。同様に、飛び込んでみないと解らない事が多いこと、自己評価の仕方なども参考になるかもしれない。

個人的には区切りをつけることが充実に繋がるという部分が面白かった。終わりよければすべてよし、は最近とみに思うことだが、なにもそれは死ぬだけではなく1日単位でも1時間単位でも好きなように刻めば区切りが多くなる。そしてその度に評価すれば、良い気分を感じる機会が増えるのはなるほどなと。どの単位で区切るとか評価するかとは試行錯誤になるだろうが、やってみる価値はありそうだし面白そうだ。


・ミスも迷いも前に進んでいくためには必要不可欠なステップ

・無駄な事を考えない、無駄な心配をしない、無駄な恐れを持たない、無駄な労力を費やさない。減らしていくアプローチは心理的にとてもやりにくく、普通にしているとまず選択しない。

・上達をして次のステップに進まないことには、知ることすらできないミスもある。どれがミスかもわかっていないのだから、修正や反省をしたくてもその時点では不可能。無知の知とはこのことではないか。もっとも、それすらもミスである可能性も多分にあるではと同時に思うが。

・環境は大事

・何をしたらいいかわからない時は、待つのも有力な手段。あえて何もしないことによって状況が変わるのを待って、その時にアクションをとる。待つのは勇気と忍耐力が必要。何かをしたいと当然思うし、いつまで待てばいいかもその時にはわからないから。

・長いモノサシを一つ持つ。成果や結果を期待せずに、続ける意義を感じる事ができれば、それこそが周囲の評価をものともしない絶対的な評価になる。これはやめる時にも有効。できるまでに最低10年かかるからやめるという判断する。一生かかっても極められないからこそやる。

・職人は自分自身の基準をクリアしないと売らない。ただしこだわりと頑固は紙一重であることを意識する。

・人にはできるだけ早く対応する。

・区切りをつければ、充実した時間を送りやすい。終わりよければすべてよし。

・選択が厳しい場面では、初見ならばどのような判断を下すかという視点で考える。過去のことはすべて消し去って考えてると、簡単に正解がわかる時がある。

・鉱脈があるかないかは事前にはわからない。そしてほんの一部の人が大きく賭けて、その中の一部の人が勝つ。

・いかにチャンスを掴んで、いかにピンチを凌ぐかによって結果は大きく変わる。一般的に若いときはチャンスに強く、ピンチに弱い。年齢を重ねるとチャンスに弱くなり、ピンチに強くなる。偶然のチャンスが訪れることがあっても、偶然のピンチが訪れることはない。

・考えがまとまらないのは、判断のつかない項目があるから。

・正しい道筋は必ず美しい。美しい手順が作り出せた時は、それは強さも兼ねている。美しさを知るかどうかが大事な場合がある。

・現代が閉塞感を感じやすいのは、大きなフロンティア(未開の地)が見つからないこととも関連している。

・発見の有無は姿勢の問題ではないか。

・セオリーに反する2手目6二銀をやってみた。あまりうまくいかなかったものの、どれくらい損になり、不利になるかが解った。

・目標などは作らない。目標を設定することは同時に制限を作っているとも考えられるから。

・波に乗るのも難しいが、波から降りるのも難しい。

・元気になれる場は、有名な場所でなくても身近なところに普通に存在している。場を良くする簡単な方法は掃除をして綺麗にする。風通しを良くする。

・ゆっくり話す。

・日の出前に寝ると回復が早い。徹夜が体に与えるダメージは大きい。

・最近は前世代共通の認識、体験がとても少なくなってしまって共感ができることも少なくなり、断絶が生まれやすい。

・先入観をなくしたほうがいいと思うのも、もしかすると立派な先入観である可能性も考えられ、これでいいという地点はないのかもしれない。

・プロと呼ばれる人の技は、トリックが何かということは軽く超越してしまう。

・他人の評価が気になるのは、自分に自信がないので他人からの評価で確信を持ちたいから。でも自己評価と他者評価が一致する事はない。また評価する側もよくわからないまま評価しているのが実情。昨日の自分より、今日の自分の方が進化している。これが実体ある本当の評価ではないか。

・自信半分、疑い半分という心持ちで十分。これでいいと思いながらも、同時に、もしかしたら修正が必要かもしれない、と考えながら進んでいくことが、手ごたえはないものの堅実で逸れることなく全身ができる方法。それを繰り返して一つのテーマを克服した時、深い理解と確信が生まれる。

・飛び込んでみなければ、決断してみなければ、わからない、あるいは見えないことは山ほどあるもの。

・成果や結果を気にせず、とりあえずやってみるのが、急がば回れ、の最短コースだ。

・現状に大きな満足を得ているのならば、迷いそうな場面でも、どっちでもよい、どうでもよい、と思える。そして迷う必要もなくなる。

・スランプが深刻になるとどつぼになる。スランプに陥ることは悪いことばかりではなく、それによって免疫ができて同様のスランプにはかかりにくくなることもある。

・心を休めたい時は、身体を疲れさせる。

・気分の良い時を習慣にするという方法もある。気分が良ければ、気分転換の必要すらなくなる。自分なりに気分転換のスイッチを作っておき、必要が生じたときに押せるようにしておく。

・行く道がわからない時は、自分の来た道を振り返る。こちらの方はどんな道であっても実にしっかり見える。

・目的地が一つだとしても、そこまで行ける道はたくさんある。そう考えれば、気楽に道を選べる。

・前進を続けていくために反省をして、後悔はしない。必要な時間だけ立ち止まったら、一歩踏み出す。

・後悔を取り除けば、物事の本質を取り出すことができる。そのために必要なのはメタ認知。その視点があれば視野を広くもてるし、何が起因して問題が起こったかも見えやすくなる。

・たくさんの人や要素があれば好転する要素は常に潜んでいる。一つの不協和音が全体に大きな影響を与えてしまうので、ほんの小さなところまで気をつける。

・平時はロジックが優位で、乱世の時は感覚が優位に立つ。

・何か良い方法がないかと考えた時に思いつくのは、泥縄式。

・情報は必要なものと不必要なものにきちんと分別する。不必要な情報は必要ないだけでなく、ノイズとなって適切な判断の邪魔になる。きめ細かくふるいにかけ、選りすぐりの情報だけにする。

・情報統制してくれた方が真実は見えやすい。一番解りにくいのは情報洪水。

・人前で話す時に緊張しない方法は、話を聞いていない人が多いし、すぐに忘れてしまうことに気付く。きめ細かい準備をしても、印象に残るのはせいぜい1つや2つ。

・時間が長くなると間延びする。時間は貴重な資源。どんなにたくさん持っていても、大切にしなければならない。

・何でも大胆に踏み込むのが勇気ではない。何もしない勇気、引き返す勇気というものがある。勇気には自分で何かをするという能動的なものもあるし、自分の手から離して任せるという受身的なものもある。

・大胆な勇気というのは遊び心、いたずら心とも言える。わからないけれども面白そうだからやってみるという感じ。一方で、何もしない勇気というのは我慢に近いのかもしれない。

・どの勇気が必要になるかはケース・バイ・ケースで異なるが、共通しているのは、核となる部分をしっかり持たなければ勇気を発揮しにくいところ。それは行動の指針、理念、信念、許容範囲のようなものかもしれない。

・選択して結果的にうまくいかない、満足がいかなかったとしても、納得して消化できるかが大事。

・勇気は一回持てたら毎回持てるというものではない。毎回試される面もある。どうしても確信が持ちたい、何かに頼るものが欲しいと考えてしまうものなので、それらとの戦いともいえる。特に受身的勇気の方は諦めに近いといえる。別に本当に諦めているわけではないが、その心境に限りなく近づいていかないと受身的な勇気は持ちにくい。それは自力だけでなく、他力に委ねるということ。

・プロは例外なく守りが堅い。

・コンピューターの将棋は量を質に転換する。

**ファーガソン、自伝発売

自伝発売の記者会見では様々な国から色々な質問がでた。ベッカム放出については、ビクトリアとの恋に落ちたことが全てを変えたと述べた。イスラエルの記者からは人種差別にはどう対処にしたのかと問われ、教育は我慢だと答えた。またコマーシャリズムはフットボールの楽しみを奪ったかという質問には、給料のコントロールは最も重要でそして難しいとした。有名選手の管理のコツは、彼らのステータスを脅かさないこと、リーダーはスタッフに忠誠心を持たせること、モイーズについては、自分も出だしは大変であったことを述べ優秀だろうと述べた。ファーガソンは、ユナイテッドのディレクターとアンバサダーの役職に就いている。

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**Payment-in-kind toggle notesの増加

クレジットバブルを加速させたとして批判されたPIK notesの発行が金融危機前の水準まで増加している。PIK notesは企業が資金調達で苦労する際に現金ではなく債券を発行するオプションを与えるものであり、信用力のない企業が発行する傾向にある。今年は既に92億ドル売られており、2012年の67億ドルを越えている。2008年は132億ドルであった。

**中国都市部、不動産価格の高騰

中国の70の都市の動産価格は前年比で9.1%の上昇をみせた。8月は8.3%であった。特に巨大都市では上昇率が激しく、北京では20.6%、上海では20.4%、深センでは20.1%の上昇を示している。政府は2010年から抑制策を取っているが、3月に政権を取った当局は急騰する不動産価格については新しい策も、コメントもしていない。また今年の第三四半期は1630億ドルの資本流入が増え、これは2011年以来もっとも大きな増加となっている。中国都市部の不動産価格はこの10年で5倍となっており、中国当局は不動産価格がこのまま上昇すれば民衆からの怒りを買う格好になる。

日経平均終値:14426(-287)
東証一部売買代金:2兆2048億
マザーズ売買代金:2059億
最高値銘柄:
最高値銘柄数:11
最低値銘柄数:2
売買代金上位:大成建設 日本電産 エナリス(-12%)

S&P終値:1746(-8)
S&P売買高:520247057
最高値銘柄:
最高値銘柄数:129
最低値銘柄数:5
売買代金上位:AAPL FB NFLX TSLA CCI CAT GLW COLE CREE