2013年11月18日月曜日

劣化国家 ニーアル・ファーガソン(5) 市民社会と国家


ここでは市民社会と国家の力関係について語られている。国家が市民社会の領域に侵入したがために、活気が失われているとする。特にトクヴィルの引用が多く、それは100年ほど前から既に見られた現象となっているのが理解できる。


ウェールズで砂浜を綺麗にすることを行った。このとき突破口になったのが、地元のライオンズクラブが加わってくれたことだ。この経験から、制度としての任意団体の力を思い知った。私たちは自発的に、公的部門に頼ることなく、どんな利益動機も法的義務や権限もなしに、気の滅入るような廃棄処分場を景勝地に戻したのだ。

ベストセラー孤独なボウリングの中でソーシャルキャピタル、人間関係資本の指標があげられている。

町や学校の問題を話し合う集会に出席する -35%減
クラブや組織の役員を務める -42%減
地域組織の委員を務める -39%
PTAの会員数 -61%減
32の全国規模の支部基礎組織の平均会員率 -50%減
男性人口に占めるボウリングリーグの会員率 -73%減

アメリカのエルクスクラブ、ムースクラブ、ロータリークラブ、ライオンズクラブなどは、かつて異なる所得集団や階級のアメリカ人を結びつけるのに大いに貢献したが、いまでは衰退の道を辿っている。

公認慈善団体の1911年の年間収入総額は、救貧法に基づく国家公共支出を上回っていた。

中央管理型の国民保健と医療制度が導入されたために、イギリスの多くの共済組合の担っていた役割は劇的に変化し、公的な福祉制度の取次ぎになるか、廃れるかした。

イギリスのソーシャルキャピタルの衰退は目立って加速している。人口のわずか8%が全ボランティア時間のほぼ半数を占めている。また最近では寄付の1/3以上を65歳以上が占めているが、30年ほど前は1/4に満たなかった。

ソーシャルネットワークは巨大だが非力だ。オンラインコミュニティが伝統的な形態の団体にとって代わることはとても思えない。ほとんどのユーザーがFacebookを前からの友人との連絡を保つ手段として使っている。

トクヴィルは次のようにいっている。彼らにとってはわが子と特定の友人が全人類である。彼らの上に君臨するのが、単独で彼らの楽しみを保証し、運命を見守る巨大で守護的な権力だ。もしその目的が一人前の人間を育てることになったとすれば、父親のような力になるだろう。だが実際はその反対で、彼らをいつまでも幼児期にとどめることだけを追及する。

政治権力が団体の代わりをすればするほど、個々人は協力し合おうとは思わなくなり、権力の助けを必要とするになる。もしも政府がいたるところで団体にとって代わろうとするなら、民主的人民の事業や産業だけでなく、道徳性と知性までもが、大きな危険にさらされるだろう。

人々が互いに働きかけることではじめて、感情と思想は自らを刷新し、心は広がり、人間の精神は発展するのだ。

市民社会の真の敵は科学技術などではなく、国家とゆりかごから墓場までの生活保障という魅惑的な約束だったのだ。

ここ100年ほどの間、公教育の拡大は善だった。問題は教育を独占的に提供する公共機関が、すべての独占的提供者に共通する難題に苦しめられることだ。それは競争欠如による質の低下と、生産者側の既得権益の力の高まりである。水準を高めるうえで、私立の教育機関が重要な役割を果たす正当な理由があることは、どんなイデオロギー的偏見を持つ人も認めるべきだ。

どちらも必要だ。生物多様性の方が独占よりも望ましいからに他ならない。だからこそグローバル化が競争で揉まれるアメリカの大学は世界で最も優秀なのだ。一方で局地的な独占的システムにおかれたアメリカの高校は、大体において成績が低迷している。

最近期待されているのが新しいフリースクールだ。こうした学校は選抜制ではないことも注目に値する。いまも国費で賄われているが、自治の拡大により、規律面でも学習の面でも、はるかに高い水準を速やかに達することができた。

世界の賢明な国々が、国家による教育の独占という時代遅れのモデルから抜け出して、教育を本来の居場所である市民社会に戻している。

サクセス・アカデミーの入学者は抽選だ。しかし生徒の成績が良いのは、学校が説明責任と自主性を与えられているからだ。

イギリスの問題は私学が多すぎることではない。少なすぎることだ。イギリスの10代のうち私学に通う生徒の割合は7%で、アメリカとほぼ並んでいる。アジアの成績が良いのは4人に1人が私学に行っているからだ。平均して10%の差があるが、これはイギリスとトルコの差でもあり、トルコの私学の数字が4%であることと無関係ではない。

私はトクヴィルと同様、地域住民の自発性で能動的な活動が、集権的な国家の活動に優ると信じている。

真の市民権とは、ただ単に票を投じ、金をもうけ、法の正しい側にとどまることではない。それは行動の規範を育み、順守することを学ぶ場である、家族を超えた幅広い集団、つまり部隊に加わることである。そこで私たちは、ひと言でいえば、自らを治めることを学ぶ。子供たちを教育し、無力な人を思いやり、犯罪と戦い、通りを綺麗に保つのだ。

民間主導の取り組みを増やし、国家への依存を減らすことでほとんどの社会が恩恵を受けるという考えに深く賛同する。それがいまや保守的な立場だというならそれで構わない。かつてこの考えは、真のリベラル主義の真髄と見なされていた。

トクヴィルは活気に満ちていた西洋の市民社会が衰退が衰退状態にあること、それは科学技術ではなく、国家の過剰なうぬぼれによるものだと論じた。

劣化国家(1) なぜ西洋は衰退したのか
劣化国家(2) 過剰な公的債務は、世代間の社会契約が破綻していることの症状だ
劣化国家(3) 金融業界の規制と法の執行
劣化国家(4) アメリカは法の支配ではなく、法律家による支配になっている
劣化国家(5) 市民社会と国家
劣化国家(6) 大いなる衰退論からの示唆

**シンガポール、アフリカのLNGを取得

シンガポールのTemasekはアジアで第一のLNGインフラ会社である。今回は東アフリカにあるタンザニアのLNGを確保し、マレーシア、インドネシアなどへの供給を図る。アジアは世界のLNG需要のうち74%を占め、2020年までに現在の1億7700万トンから2億5500万トンへと45%増加する見込みである。

**トリプルC債券の販売が過去最高に

投資家の利回り探しを背景に、CCCの債券の売上が380億ドルと過去最高を記録した。またその利回りも1年前の9.8%から7.75%へと低下した。全体の倒産率は2.3%とこちらも歴史的な低水準になっている。S&PはCCCは50%以上の確率で破産するとしている。

asymmetric 不釣合い

**イラン旅行に回復の兆し

Mahmoud Ahmadi-Nejad前大統領からRouhani大統領へと変わったことでイランへの旅行者数に変化が起きている。10月の外国人旅行者数は対前年比で+35%となっている。イランでは年に10億ドルの歳入が見込めるとし、20%を越す失業者の減少にも寄与するのではと見られている。治安はこの地域では最もよく、注意するのはドライビングテクニックくらいだとする声もある。

日経平均終値:
東証一部売買代金:2兆8833億
マザーズ売買代金:790億
最高値銘柄:
売買代金上位:

S&P終値:
S&P売買高:
最高値銘柄:ONVO P LOW PG AREV BA
売買代金上位:TMUS MU