2013/12/27

今年を振り返る② 印象に残った本と映画


今年は様々なジャンルを月16冊、そのうち半分を故人が書いたものという縛りを入れて読んでみた。12/26現在で235冊読了し、そのうち92冊が故人のものになる。現代のものはさくっと読めるのでどうしても手が行ってしまういますがまずまずがんばれたかな。

映画は月に4本の計算で、こちらは56本既に見ている。映画自体は基本的に勧められたものをみていく感じ。

放っておいても読む本は、ある種、自分の考え方を確認するために読んでいる本なのでとても大事だけど印象には残らないのかも。非常に面白いんですが、知ってる知ってるそうそう的な。別腹なんでしょうね。

ということで印象に残った作品を時系列順に挙げていきたい。


考えの射程が広くびっくり。国家を100年単位で見れる人物が日本にもいたのだなと。



ホモ的な扱いをされるようですが、単純に美しいものを描いたと思います。


こちらもトーマス・マン。主人公の挫折的なものよりは、その立場からみる友人夫妻のキラキラ感が印象的。彼の作品はあえてとっておくリストに。


今年の一冊。お気に入り。今後も毎年読んでいく本になった。

「この胡瓜はにがい」棄てるがいい。「道に茨がある」避けるがいい。それで充分だ。「なぜこんなものが世の中にあるんだろう」などと加えるな。

終局の目的に向って急げ。

君は善意にみちた態度を取り、尊大な風をしてはならない。ただし人間各々の価値は、その人が熱心に追い求める対象の価値に等しいということを理解していること

隣人がなにを言い、なにを行い、なにを考えているかを覗き見ず、自分自身のなすことのみに注目し、それが正しく、敬虔であるように慮る者は、なんと多くの余暇を得ることであろう。



SF。とにかく面白い。余韻の引き方も素晴しい。


奇書とは聞いていたが想像の斜め上を行く面白さ。岩波読むようにして良かったと思った一冊。読んでいてこれはひどい、とニヤニヤして読める本。

しかしそのうちに秘めている文学批評や皮肉は非常に鋭く、ただのおちゃらけ小説ではない。人は選ぶだろうが、これは読むべき本の一冊だ。


ミステリーとして非常に秀逸。読んでいて非常に楽しい。一気読みさせてくれる。


20世紀前半にフランスの新聞に寄稿されたいたもので93章からなる。哲学者がより実践的な知恵を優しい言葉で語りかけてくれる。


アメリカ側からみた太平洋戦争。史上初の空母同士の戦いはお互いに手探りで行われていたことが分かるし、戦場では色々な要素が絡んでいることを知ることができる。しかしこの本を秀逸にしている本当の理由は戦闘シーンが活き活きとしていること。結果を知っていても手に汗を握らせてくれる。


ユダヤ人真面目だなぁと思う本。難解だが最終章の言っていることはなるほどと思うのではないだろうか。


今年は非常に多くのハーバードやスタンフォード式が出たような気がする。一時の○○力だろうか。題名はともかく、内容は非常にまっとう。小気味良く読める。



男性を叩きのめすのならこの作品。とにかく痛い!(心身ともに) 低予算映画で基本的には物語は二人のみで進行するが飽きない。


CGが無い時代だが、人と兵器が一杯出てきて予算使ってるなぁと唸る作品。変な思想もなく、ただ戦場そのものを描いているというのもGOOD。


新海誠作品をいくつか見たがやはりこれが傑出している。そんなとこにいる訳がないのに、目が追ってしまう。そういうものなんじゃないでしょうか。これのみ再見?


重い。地方に残った人達に対して。


来年もこれらのように面白い作品に巡りあいたい。