2014年2月15日土曜日

プレゼンテーション・パターン


著者が書いたの本によって大学と大学院の研究テーマを決めている。

『複雑系入門』と題されたその本を読んだ時はまさにコレだ!と思い、体が興奮でぶるぶるしたのを覚えている。今でも世界を見る視座は複雑系に拠るところ大きい。

そして先日、池袋ジュンクのトークセッションで彼の名前があるのを見かけ、この本とは別のパターン・ランゲージについての本が出版されていたことを知った。

当時の研究テーマとは少しずれてはいるものの、創造ということが興味の核にある点は変わっていない。

パターン・ランゲージもいってみればメタに関する研究、そして実践だと個人的には思う。だから本書で書かれているのも、具体的であるようでいて抽象的であるが、それがメタであることの証左なのではないかと。

複雑系的なものの言い方をすれば、創造や秩序といったのはグランドデザインがある訳ではなく、環境と各要素間との係わりあいの中で自然発生的に生まれるものであるといえようか。パターンも最小単位としての要素であり、それらが相互に結びつく、あるいは結びつかせることにより、創造を生み出していこうという意志を感じる。

本書ではプレゼンテーションに的を絞ったパターンについて書かれている。また学習についてのパターンもWebで公開されているのでそちらも参照されたい。

難しいことはいわずに、単にチェックリストとして活用するのも手だろう。それはとどのつまり、問題の起き易い状況をチェックし(漏れをなくし 認識のメガネ)、それについての解決を測る(ヒントがある)ということに他ならない。

■創造的プレゼンテーション

創造的プレゼンテーションとはプレゼンテーションを『伝達』の場ではなく『創造』の場であると考える。聴き手の想像をかきたて、新しい発想や発見を生み出すきっかけになるのを目指す。

したがって語り手と聴き手はパートーナーという捉えかたになる。

■メインメッセージ

色々と情報を提供するだけでは掴みどころのないプレゼンテーションになる。そこで、自分が聴き手に最も伝えたいメッセージを一つに絞り、それを核としてプレゼンテーションを作る。

メインメッセージを考えるときには『自分』、『相手』、『創造』という3つの視点から捉える。

1.自分の経験や知識に基づいて心から大切だと思っていることを考える。

2.自分が伝えるメッセージが聴き手にとって本当に必要かを考える。

3.メッセージが聴き手の新しい発想や発見に繋がるかを考える。

この3つの視点を行き来しながら、メッセージを考え、絞込み、磨いていく。つまりメインメッセージは最初から頭の中にあったものを外化して得られるものではなく、それについて考え抜く過程で結晶化されるものであるといえ、またその意味に於いては一種の学びとも言える。

■パターン・ランゲージ

パターン・ランゲージとは建築家のクリストファー・アレグザンダーが提唱した知識記述の方法。建築や街の形態に繰り返し表れる法則性を『パターン』と呼び、それを『ランゲージ』として記述・共有することを提案した。

目指したのは、街や建物のデザインについて共通言語をつくり、誰もがデザインのプロセスに参加できるようにすること。

パターンは具体的には、『状況 context』、『問題 problem』、『解決 solution』がセットになっており、それぞれにパターン名が付けられている。このパターン名は大事で、これが語彙となり共通言語となることが期待されている。

■34のパターン

本書で紹介されている34のパターンを以下に記す。

創造的プレゼンテーションの本質

0.創造的プレゼンテーション
1.メインメッセージ
2.心に響くプレゼント
3.成功のイメージ

内容・表現に関するパターン

4.ストーリーテリング
5.ことば探し
6.図のチカラ
7.メリハリ
8.驚きの展開
9.はてなの扉
10.ぶんび両道
11.適切な情報量
12.魅力のちょい足し

魅せ方に関するパターン

13.イメージの架け橋
14.リアリティの演出
15.参加の場づくり
16.細部へのこだわり
17.表現のいいとこどり
18.不快感の撲滅
19.スキマを作る
20.きっかけスイッチ
21.テイクホームギフト

振る舞いに関するパターン

22.場の仕上げ
23.成功のリマインド
24.自身感の構築
25.キャスト魂
26.最善努力
27.ひとりひとりに
28.世界への導き
29.即興のデザイン
30.終わりが始まり

創造的プレゼンテーションの極意

31.独自性の追求
32.魅せ方の美学
33.生き方の創造