2014/02/19

フィギュアスケート観戦術


なんとか間に合ったので早速まとめてみる。

■得点のつけかた

現在はISUジャッジングシステムが採用され、これは加算方式である。技の基礎点にその出来によってジャッジが加点や減点などGOEを与えていく技術点と、その演技全体の印象から導き出される演技構成点からなる。

演技構成点は下記からなり

スケート技術 Skating Skills SS
要素のつなぎ Transitons TR
動作身のこなし Performance PE
振付構成 Choreography CH
曲の解釈 Interpretation IN

それぞれ10点で評価され、最高値と最低値を除くその平均値の得点が合計される。

演技構成点は男子はショートは1.0、フリーは2.0、女子はショートは0.8、フリーは1.6を乗じたものを技術点と総合する。

■6種類のジャンプと基礎点

()内は左から2回転、3回転、4回転の場合の得点。これにGOEによる加減点が加わる。加減点は回転数が大くなるほど大きくなる。

回転の完全を360度とした場合、180度まではダウングレード、180度~270度は基礎点の70%、270度以上は回転と認定。

トウループ( 1.3 , 4.1 , 10.3)

簡単で基礎点が低い 左足のつま先をつく


サルコウ( 1.3 , 4.2 , 10.5)

後ろ向きに滑って、左足内側のエッジで踏み切る 足がハの字に見える

ループ( 1.8 , 5.1 , 12)

ジャンプの基本姿勢 右足で踏み切る 足が交差するようになる

フリップ( 1.8 , 5.3 , 12.3 )

左足内側のエッジで踏み切る 右足のつま先をつく

ルッツ( 2.1 , 6 , 13.6 )

トウ系で最も難しい 左足外側エッジで踏み切る 右足のつま先をつく

アクセル( 3.3 , 8.5 , 15 )

唯一前向きに踏み切る

■継続することの大切さ

フィギュアスケートでは下位にいた選手が、その一回だけ素晴しい演技をしても高得点は出にくい。それまでの他の大会で、普段からの能力をジャッジに知っておいてもらう必要がある。

キム・ヨナはその点において継続して安定した演技を見せているみせているのが大きい。パトリック・チャンに高得点が出来るのも、つま先の向きなど細かい点に気が届いている点が評価されているし、その細かい点が全体のスケーティングの印象を左右する。

■ジャンプの手前

スピードを出したまま跳ぶことが難しい理由は、跳ぶ際のタイミングが取り辛くなるから。トリプルアクセルなどは失敗した時の減点も大きいので、より確実な入り方をするのが普通だが、羽生は跳ぶ前にステップを入れるなどをして難しいことを行っている。これが加点の理由になる。

■楽しむという言葉

アスリートの楽しむという言葉の実際の指すところは、全てのものが手中に落ちて、自分がコントロールできているという感覚を味わうことを指す。つまり余裕をもってということだ。

■感想

ジャンプや構成、コーチ選び、スケート靴の選択、演技の順番、自分の実力、年齢、実績による大会の位置づけなど色々な要素があり、それから選択をしていく過程が語られていて、やはり当事者の話というのは面白いなと思わされる。

そこには成否が必ずも定かではない状況下での意思決定やトレードオフの関係があり、そこの苦悩やトレードオフとジレンマなどは読みごたえがあると思う。

ちなみに興味を持ったので男子フリーの録画をコマ送りも含めて見直したが、アクセル以外のジャンプはなかなか判別はつかなかった。やはり実際のプレイヤーじゃないとなかなか難しい部分なのかもしれない。