2014/03/04

イリアス 上


なんだかかんだで引用されているので、意を決して読むことにしてみた。

作品は紀元前8世紀頃にホメロスによって作成され、紀元前6世紀頃にアテネで文字に起こされたらしい。

当たり前だが現代とはずいぶん違っており、人物が非常に多くでてきたり(ここら辺は系図としての役割があったようだ、あとお世話になった人も出ている)、形容詞も○○の子であったり、神とみまごうばかりのといったいまとは違った形容のされ方がされている。

イリアスそのものとしては、最初から最後まで戦場での押し引きの話に終始するが、神々の介入や神々同士の諍いがあったりとなかなか面白く、当時の戦場の風習なども興味深い。

実際本を手に取れば解るが、大まかなストーリーは章ごとの前にあるまとめられている。それだけを読むだけでも何が書かれているのか解る。

アカイア勢(ギリシア)最強のアキレウスとその友パトロクロス。それに対抗するトロイエのヘクトルといったところが主要な人物で、イリアスの後に作成されるオデッュセイアの主人公ことオデュッセウスも登場している。


第一歌 悪疫、アキレウスの怒り

アキレウス、アガメムノンに怒る

第二歌 夢。アガメムノン、軍の士気を試す

ゼウスの介入によりアガメムノン戦闘を再開

第三歌 休戦の誓い。城壁からの物見。パリスとメネラオスの一騎打ち

二人の一騎打ちで戦いの決着をつけようとする。パリスは敗れるがアプロディテに救われる。アガメムノンはメネラオスの勝利を主張し、ヘレネと財宝の返還、補償を要求する。

第四歌 誓約破棄。アガメムノンの閲兵。

トロイエ側に肩入れするゼウスにヘレが激怒。両者が譲り合い戦闘が再開される。トロイエ側から休戦の誓約を破らせるため、アテネがパンダロスを使って、メネラオスに矢を射掛けさせる。トロイエ側にはアレス、アカイア勢にはアテネが付く。

第五歌 ディオメデス奮戦す

アテネの庇護のもとにディオメデスが奮戦。パンダロスを討ち、アイネイアスを傷つけ、アプロディテにも傷を負わせる。

第六歌 ヘクトルとアンドロマケの語らい

トロイエ側が苦戦。ヘクトルは一旦城へ戻り妻子と会い、最後の別れとなる。戦場ではグラウコスとディオメデスが相対するが、父の代から両家に交遊があったことが判り、武具を交換する。

第七歌 ヘクトルとアイアスの一騎打ち

今度はトロイエ側が優勢になる。アテネとアポロンが合意し一旦戦闘を休止する。ヘクトルと大アイアスが両軍を代表して一騎打ちをするが勝敗が定まる前に日没となり、両者は武具を交換して別れる。アカイア勢は船陣のまわり防壁を作り、その外側に濠を掘りめぐらす。

第八歌 尻切れ合戦

戦闘二日目。ゼウスは神々に戦闘に介入することを禁じる。トロイエ勢の優勢が確定的になり、ヘクトルが遂にアカイア勢の船陣に迫る。日が落ちて、トロイエ勢は戦場に夜営する。

第九歌 使節行。和解の歎願

落胆したアガメムノンは国許に引上げることを提案するが、ディオメデスが反する。ネストルは、アガメムノンに自らの非を認めアキレウスと和解することを説く。それに従い、ポイニクス、大アイアス、オデュッセウスを派遣するが、アキレスは申し出を拒絶。

第十歌 ドロンの巻

敵情視察のため、ディオメデスとオデュッセウスを敵中に送る。ヘクトルも同じようにドロンを間者として派遣する。間者同士が途中でありドロンは殺される。

第十一歌 アガメムノン奮戦す

アガメムノンが奮戦し一時トロイア勢を押し返す。しかしやがて傷つく。トロイア勢も反撃し激戦となり、ヘクトル、ディオメデス、オデュッセウスも傷を負う。アキレウスはパトロクロスをネストルの陣に走らせる。ネストルがパトロクロスに若き日の話を長々と語る。

第十二歌 防壁をめぐる戦い

濠に迫ったトロイエ勢は戦車を降り徒歩で防壁を攻撃する。両アイアスの必死の防戦にも関わらず、トロイエ勢はサルペドンやヘクトルの奮戦で、遂に防壁を破って壁内へ突入する。


**Bitcoinの貧弱さにユーザーはお疲れ気味

MT.Goxで取引されるBitcoinは2月当初に比べて-83%の下落を記録しているが、投資家はBitcoinに対し透明性や利便性、顧客サービスの向上を望んでいる。またスロベニアのBitstampやブルガリアのBTC-eといった他国の大手は600$とそれほど大きな下落に見舞われているわけではない。

**WhatApp買収の論拠

FacebookはテキストメッセンジャーアプリのWhatsAppを190億ドルで買収した。この額はYouTubeの10倍、Instangramの20倍の額である。これを正当化する論拠としては年に1000億ドルの市場だというものだ。

問題は今後もこのようにユーザーのトレンドに従って買収を繰り返すのかということだ。次のトレンドを当てるのは難しく、早くから資金を入れるのも難しい。この先にあるのは荒涼とした失敗である。

**内戦への瀬戸際のウクライナ

EUはビザ発給を含む制裁と資産凍結を発表。米国は大統領に治安部隊を撤収させることを求めた。反対派は政府が口実を設け軍隊を動員する事を怖れているが、軍隊が市民を攻撃するかは明らかではない。ロシアは西洋による中傷と干渉を非難している。

**Dragnet Nation レビュー

監視社会から著者ががんばって逃げてみたという本。色々試した結果は逃げ切るのは難しいといしている。それでも強固、あるいはワンタイムパスワードや履歴を残さないサーチエンジンなどは有効だとしている。環境問題と同じように、企業なり政府なりに規制を適用させていくことが大事だとしている。

**経済減速にも関わらずインフレの兆候がでているオーストラリア

オーストラリアは中国本土投資の代替物と考えられ、オーストラリアドルもここ数年高かったが中国減速に伴って通貨は下落していた。しかしここにきて足元のインフレ率が上がっていることを受け、オーストラリア中銀はインフレを警戒するようになり、利上げ観測も出てきている。今後難しい対応が迫られそうだ。