2014/05/29

2014年5月 マーク・ファーバー 

5月も末になってしまったがいつもの通りマーク・ファーバーをまとめてみたい。

ここのところは教育と現実世界との需給ギャップに焦点があたっているようだ。これも投資家として全員が高学歴を目指すことについてへのバブル懸念があるのだろう。

相場については過去最大になっている上昇相場について言及し、引き続き弱気だ。

今月の主張は以下の通り。

現状は高学歴者の需要を満たす仕事がない。実際のところ仕事の半分は高学歴が必要とされていない。

学校教育自体に意味があるとは思わないが、友達から学ぶ面は大きい。

新しい事を学ぶには自尊心が傷つく恐れがある。これが自尊心が育つ前の子供が多く学べる理由であり、大人が学べない理由だ。これは大事で、今日の若者は傷つき易すぎ、新しい事を学びにくくなっている。

石油掘削業、発電所の専門家やホテルのシェフ、コンシェルジュ、マネージャーといったところで働く友人は、高学歴者より賃金は良いし学費という負債もない。

Bridgewaterは今後は4%のリターンの世界であり、現状の7%より低く、リタイアするには現状の2倍の貯蓄が必要だとしている。またアッパーミドル層では子供1人の教育が終わるまでに50万ドル必要としている。

しかしこの見方でさえ楽観的だ。米国債の利回りは2.68%である。また次の危機の際は今までとは違ったものになる。中央銀行は既にレバレッジを使っておりバランスシートに余裕はないからだ。

ここ最近のインターネット関連銘柄のように投資家はホットな銘柄に集まる。しかしそこで用いられるPrice-to-Sale指標は過去の長きに渡ってパフォーマンスは悪い。

2014年4月に上昇相場が終わったとしても、2009年3月から265週であり182%の上昇である。しかしこれは過去の上昇相場の155週107%を遥かに上回っている。

金鉱株は調整しているが2013年の12月を下回ることはないと考えている。


**Apple スマートホームに参入

先進国でのスマートフォンの売上が落ちている中、Appleは家電などをiPhoneで操作することを考えている。この分野でGoogleは1月にサーモスタットとアラームのNest Labsを32億ドルで買収していている。またSmusungも冷蔵庫、洗濯機、TVなどをスマートフォンから操作できるようにしているなど競争が始まっている。

**オンライン広告とBot

Mercedesのオンライン広告の過去3週間36500のうち57%がコンピュータによるものであり、イギリス人2人によるものだとされている。Mercedesは疑わしいものは全体の6%以下だとしている。

**タイ臨時政府 王室のサポートを勝ち取る

Prayuth Chanocha将軍は過去7ヶ月のエスカレートする抗議運動で30人が死んだことから、これ以上進めるわけにはいけないとしてクーデターが必要だったと説明した。選挙は可能な限り速く行うが、具体的なタイムフレームについては明示しなかった。また王室からは平和と秩序を維持するよう指示を受けたとした。

**Piketty教授のデータに誤り

ベストセラーになった"Capital in the Twenty-First Century"で教授は、長きに渡る所得と富の乖離を指摘し、国際的な資産課税を提案した。しかしデータの取り扱いが間違っており、その主張の根底が失われた。